[M-SD35] 将来の衛星地球観測

[MSD35-10] 災害対応・ベースマップ、環境モニタリングに資する高分解能光学・SARおよびライダーミッション（その4）

*渡邉 知弘¹、石塚 直樹²、木村 篤史³、今井 靖晃⁴、大橋 真⁵、酒井 聡一⁶、立川 哲史⁷、李 雲慶⁸、小川 崇⁹ (1.（一社）日本リモートセンシング学会、2.農業・食品産業技術総合研究機構、3.株式会社パスコ、4.国際航業株式会社、5.アジア航測株式会社、6.ESRIジャパン株式会社、7.（一財）宇宙システム開発利用推進機構、8.日本スペースイメージング株式会社、9.（一財）リモート・センシング技術センター)

本提案の目的は、高分解能光学・SARおよびライダーを用いた継続的な大規模災害時の観測およびベースマップ作成、ならびに長期にわたる定量的モニタリングによる地球資源の監視・解明である。ALOSシリーズの光学およびSARセンサは広い範囲を高い空間分解能で観測することにより，基盤情報（土地被覆、地形、標高）、防災・減災（変化抽出、地盤変動、浸水、不法投棄）、農林水産業（精密農業、食料安全保障、森林、漁業）、エネルギー（地質、埋蔵量、資源管理、汚染監視）、気候変動（氷河、流氷、洪水）、環境（沿岸環境、炭素ストック）など昨今注目されている都市観測ビジネスやカーボンニュートラルの実現に向けたビジネスを含めた実利用的なものから、地球科学にいたるまで多岐にわたる分野で利用されてきている。米国Landsatシリーズが高く評価され、欧州がSentinelシリーズを長期的に計画・運用していることからも、継続的なモニタリングという観点から、ALOSシリーズの高分解能センサの継続観測及びオープン＆フリーでの提供が、小型コンステレーションとの連携によりアプリケーションも含めた民間事業者によるビジネスでの利用拡大や我が国の地球観測におけるプレゼンスを上げることにつながる。
また、森林の気候変動に対する緩和能力が再注目されている中で、レーザーセンサは、唯一、森林の樹冠下の地盤高計測できるセンサであり、バイオマス量推定の際の重要な変数である樹冠高をDSMとDEMから計測できる。このレーザーセンサに面的に計測可能なイメージャーの併用やALOS/SARシリーズとの融合により、我が国から高精度な森林バイオマス量等を報告でき、対策のための基礎情報や施策の効果を評価する点においてもプレゼンスを上げることが期待される。