日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ40] 再生可能エネルギーと地球科学

2023年5月25日(木) 09:00 〜 10:30 オンラインポスターZoom会場 (6) (オンラインポスター)

コンビーナ:大竹 秀明(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター)、野原 大輔(電力中央研究所)、島田 照久(弘前大学大学院理工学研究科)、宇野 史睦(日本大学文理学部)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/24 17:15-18:45)

09:00 〜 10:30

[MZZ40-P01] 豊後水道・紀伊水道・伊勢湾の沖で冬季に発生する強風

*岩本 黎1島田 照久2 (1.弘前大学 大学院 地域共創科学研究科、2.弘前大学 大学院 理工学研究科)

キーワード:洋上風、冬季季節風、寒気、気象モデル

洋上風況マップをみると、豊後水道・紀伊水道・伊勢湾から沖に広がる海域は、西日本の沿岸域で最大級の洋上風力資源を有する。豊富な洋上風力資源は主に、冬季に卓越する北西季節風を反映している。この3つの海域が、冬季の寒気と季節風が日本列島を通過する際の経路となることは、静止気象衛星の雲画像などから示唆されていた。しかしながら、この3海域の強風についての詳しい研究が少なく、豊富な洋上風力資源を生み出す仕組みのさらなる理解が求められている。
本研究では、気象モデルWRFによるシミュレーションを用いて、豊後水道・紀伊水道・伊勢湾の沖で冬季に発生する強風の3 次元構造と寒気の流出経路について事例解析を行い、豊富な洋上風力資源を生み出す過程を明らかにする。対象とした期間は、寒波が発生した2020年1月28日から2月3日である。まず、風速の水平分布から、豊後水道・紀伊水道・伊勢湾の沖の順で西から強風が発達していた。最大風速は、15–18 m/sに達していた。また、強風の発生に合わせて、地表面の気温が下がり、気圧が上昇してくることにより、寒気の流入が強風発生の要因であることを示す。3海域の大気の高度鉛直構造から、海峡付近に強風域が形成されていることと寒気流入の過程がわかった。また、下層の寒気の動きや3海域からの後方流跡線解析によって、寒気が山地に沿って豊後水道・紀伊水道・伊勢湾に達する主な経路を特定することができた。