日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ43] ジオパークとサステナビリティ(ポスター)

2023年5月21日(日) 15:30 〜 17:00 オンラインポスターZoom会場 (2) (オンラインポスター)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、佐野 恭平(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、郡山 鈴夏(フォッサマグナミュージアム)、横山 光(北翔大学)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 17:15-18:45)

15:30 〜 17:00

[MZZ43-P19] ジオパーク地域から見る「崩れる大地」の上での暮らし

*殿谷 梓1 (1.三好市役所ジオパーク推進室)

キーワード:崩れる大地、ジオパーク

4つのプレートの収束域である日本は,プレート運動が起因となり,海洋堆積物などが隆起し、山地・山脈が形成されている.それらの地形の影響を受け,地域ごとに特有の気象がもたらされ,急勾配の河川がいくつも形成されている.
日本のジオパーク地域は準会員地域を含めて現在56地域ある.これらの地域では,各々特有の地質・地形が見られ,それらの大地の上での人々の生活文化とのつながりが紹介されている.
三好ジオパーク構想地域の特徴の一つとして,傾斜地集落と呼ばれる,山の緩斜面に集落が点々とある風景がある.この傾斜地集落の大部分は,地すべりや崩落といった過去に発生した斜面災害,つまり崩れていく大地の上に築かれている.これらの傾斜地集落の上での人々の暮らしの最大の特徴は,斜めの土地をそのまま活用していることである.またこれらの傾斜地集落では,現在でも地すべりや崩落などの斜面災害が大小頻繁に生じている.そのため傾斜地集落の上では,「崩れる大地」と共存する暮らしを見ることができる.
このような「崩れる大地」の上での暮らしは,三好ジオパーク構想地域だけに見られる特徴ではない.南アルプスジオパークの下栗地区,糸魚川ユネスコ世界ジオパークの月不見の池など,日本ジオパーク地域内でいくつか見ることができる.
本発表では,変動帯日本の特徴の一つである「崩れる大地」に焦点を当て,その地球科学的特徴と人々の暮らしとの関係につい議論する.