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[MZZ45-P05] 小惑星サーモグラフフィにもとづく軌道予測モデルの構築に向けて
キーワード:小惑星、熱物理モデル、非重力効果
小惑星の熱物理シミュレーションは、探査機やローバの観測条件の事前検討や赤外観測のみならず、小惑星に働く非重力効果の予測に役立つ。Yarkovsky効果やYORP効果をはじめとする非重力効果は、小惑星の軌道や自転に摂動を引き起こす。地球に接近する小惑星の軌道を精密に予測するためには、小惑星の熱観測に基づいて非重力効果のモデルを改良する必要がある。
我々は、小惑星の力学進化シミュレータ「Astroshaper」を開発している。Astroshaperに実装された熱物理モデルは、はやぶさ2やHeraミッションで行われる熱観測と比較することで、小惑星の熱物性の決定や非重力効果の推定に用いられる。地上観測から推定された形状モデルを用いて、二重小惑星Didymos–Dimorphosに働くBYORP効果を計算したところ、Dimorphosの相互軌道を広げるような非重力効果が加わることがわかった。今後、Heraミッションによって得られる高解像度の形状モデルを用いて、予測の精度を高める必要がある。将来的には、はやぶさ2やHeraミッションの知見をもとに改良した熱物理モデルを、地球接近天体の軌道予測に適用することを計画している。
我々は、小惑星の力学進化シミュレータ「Astroshaper」を開発している。Astroshaperに実装された熱物理モデルは、はやぶさ2やHeraミッションで行われる熱観測と比較することで、小惑星の熱物性の決定や非重力効果の推定に用いられる。地上観測から推定された形状モデルを用いて、二重小惑星Didymos–Dimorphosに働くBYORP効果を計算したところ、Dimorphosの相互軌道を広げるような非重力効果が加わることがわかった。今後、Heraミッションによって得られる高解像度の形状モデルを用いて、予測の精度を高める必要がある。将来的には、はやぶさ2やHeraミッションの知見をもとに改良した熱物理モデルを、地球接近天体の軌道予測に適用することを計画している。