日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-02] 博士の生活をのぞいてみよう!【中高生向けセッション】

2023年5月21日(日) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (1) (オンラインポスター)

コンビーナ:若狭 幸(国立大学法人弘前大学地域戦略研究所)、田中 えりか(高知大学)、古市 剛久(森林総合研究所)、阿部 なつ江(国立研究開発法人海洋研究開発機構研究プラットフォーム運用開発部門マントル掘削プロモーション室)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[O02-P02] 奇跡の惑星「地球」の誕生・歴史・現在・未来:JpGUによる女子中高生の理工系キャリアパス支援での地球惑星科学の紹介

★招待講演

*古市 剛久1,2天野 敦子3小川 佳子4守屋 和佳5藤光 康宏6南雲 直子7小口 千明8紺屋 恵子9宋 苑瑞5 (1.森林総合研究所、2.サンシャインコースト大学、3.産業技術総合研究所、4.会津大学、5.早稲田大学、6.九州大学、7.土木研究所、8.埼玉大学、9.海洋研究開発機構)

キーワード:実験実習、惑星探査、サンゴ礁生態、岩石分析、河川地形

NPO法人「女子中高生理工系キャリアパスプロジェクト」が主催して毎年8月に開催される「女子中高生夏の学校」に,日本地球惑星科学連合ダイバーシティ推進委員会は2013年から積極的に参画してきました.その主たる活動の一つは3日間の夏学スケジュールの半日を使って実施される「実験・実習」であり,JpGUはこれまで現地開催とリモート開催それぞれに応じた手法を工夫しながら実験・実習を実施し,2022年は「奇跡の惑星『地球』の誕生・歴史・現在・未来を解き明かす科学」として地球惑星科学を紹介しました.地球惑星科学に関心を持つ女子中高生の意識は高く,実験実習の内容への関心に留まらず,科学者としての生活や人生,地球惑星科学が学べる大学などについて積極的な感想や質問が寄せられてきました.このような感想と質問に答える一つの取り組みとして,JpGUは2022年から「地球惑星科学を学べる大学・研究室」のリスト作りを進めており,その情報はダイバーシティ推進委員会のページで掲載・更新しています(https://sites.google.com/jpgu.org/jpgudiv/?pli=1).近年の取り組みとして2019年以降に実施した実験は以下の通りです.

1.惑星探査
探査機による惑星探査について概要を学ぶと共に,周回衛星が取得した月や火星の表面の高度データを使って,巨大峡谷や巨大火山などの地形をパソコンで計測して,地球の地形とのスケールの違いなどを学ぶ機会としました.

2.サンゴ礁生態
スマートフォンのカメラに取り付けることができる拡大鏡を使用して,スマートフォンを顕微鏡のように使用したサンゴ礁湖内の堆積物の観察を行いました.礁湖内の堆積物を構成する粒子のほとんどが生物遺骸硬組織から構成され,サンゴ礁が大気–海洋–生命–堆積物をつなぐ生命と地球の相互作用の産物であることを学ぶ機会としました.

3.岩石・堆積物分析
病院での診断装置として良く知られるX線CT装置を使った岩石や堆積物の観察の実習を行いました.最初にX線の特性や生活や研究での活用についても説明し,フリーのダイコムビュワーソフトで岩石や堆積物の撮影ファイルを観察してもらい,試料内部を3次元で透視できることを学ぶ機会としました.

4.河川地形
現地開催の際に河川模型実験装置を会場に運び込み,河川の河床や河岸はどのように侵食され,運搬される土砂はどのように堆積するのかを観察して,河川流量や運搬土砂量の変化が侵食や堆積のプロセス(の強さ)を変化さることで扇状地などの地形が発達していく様子を学ぶ機会としました.