日本地球惑星科学連合2023年大会

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現地ポスター発表

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[O-06] 高校生ポスター発表

2023年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 現地ポスター会場 (幕張メッセ展示ホール8)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(気象庁)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 13:45-15:15)

13:45 〜 15:15

[O06-P08] 遮断物の性質による宇宙線遮断率の傾向

*加藤 陽太1、*芳野 晴暉1、*宮村 幸成1、*瀧上 創希1 (1. 磐田南高等学校)

キーワード:宇宙線、遮断率、遮断物


私たちは、宇宙線を遮断する性質に着目し、さまざまな物質を用いて、宇宙線が物質ごとにどれだけ遮断されるかを調べる実験を行った。
実験に使用した物質は、土、砂、紙の3種類とした。物質とその物質の性質を表す値を紐づけして、遮断率との相関関係を調べることとした。ここでいう物質の性質を表す量は、充填率や体積のことをいう。充填率は、水にその物質を入れて計測した体積と、隙間のある状態でのみかけ体積から算出した。
実験方法は、cosmic watchが物質を入れた容器の下に来るように設置した。cosmic watchとは、宇宙から来る宇宙線の強さと数を計測する機械の名称である。この実験では、実験に用いる容器と実験場所は統一している。また、同時に2台のcosmic watchを使用することで、測定日時による違いが結果に影響することを防いだ。
結果は、紙、土、砂の順に遮断率が高くなった。また、砂による遮断を行った場合においては、砂による遮断がない場合に比べて、観測される宇宙線の数が増加することが分かった。また、充填率に着目すると、充填率は紙、砂、土の順であることから、紙と砂、そして紙と土での遮断率の違いをみると、遮断率と充填率に関係があるといえる。しかし、土と砂で見るとこのような関係は見られなかった。
考察の一つ目は、砂が宇宙線の計測に影響を与えうるものを放射している可能性があることである。二つ目の考察は、各物質で、遮断しやすい宇宙線の強さが一定であり、それが物質によって異なることである。
それを検証する方法として、宇宙線の強さごとの遮断率について解析することを予定している。その研究では、今回の実験で取り扱いや精度に問題が生じやすかった紙を実験に使用するのをやめて、新しく水を使用することとする。