13:45 〜 15:15
[O06-P42] 河川が氾濫する地形的条件とダムの関係性
キーワード:防災、砂防ダム、河川の氾濫
私たちは河川の氾濫を防ぐための治水対策について興味を持ち研究を行ってきた。その研究対象として、本校付近を流れる宮田川を調査した。その結果、宮田川の治水対策として、落差工と不透過式砂防ダムが設置されていることが分かった。落差工とは 河床の高さや河床勾配を安定させるための床固めまたは床止めである。そして、不透過式砂防ダムとは不安定土砂の移動を抑制し、河道の安定や山脚の固定を図ることを目的として設置される治水対策のための構造物である。
そこで、宮田川の治水対策の有効性を検証し、宮田川と流域環境の類似した河川の治水対策を提案することを本研究の目的とする。
これまでの研究で、落差工及び砂防ダムが実際に治水対策として効果的であるかについて、モデル実験を行い調べた。実験結果から砂防ダムと落差工を設置すると流速が遅くなることが分かった。これは、「流速を速くして、いち早く水を海へと流し込み、河川に滞留する水を少なくした方が氾濫を防ぐことができる」という観点とは反対の結果である。しかし、不透過式砂防ダムのモデル実験で、木材や石が堰き止められていくと流速が速くなるという結果が得られた。次に、宮田川の現地調査と地形図の記号から、宮田川に設置されている砂防ダムと落差工の位置関係を調べた。その結果、砂防ダムは宮田川に流れ込む沢の入り口に、落差工は沢との合流地点の上流に設置されていることがわかった。以上の結果から、沢との合流地点に一気に水が流れ込まないように落差工は設置され、本流に土砂や木が流入しないように砂防ダムが設置されている、この組合せに効果があるのではないかと考察した。しかし、宮田川が過去に氾濫した位置よりも上流の沢には砂防ダムの設置がないにもかかわらず、その沢の流入口付近では氾濫が起きていないこともわかった。
今回の研究では、宮田川に流入する沢流域の地質や土壌に着目して文献調査を行った。また、地形図の調査から、沢に設置されている砂防ダムの、流入口からの距離が一定ではないことにも着目した。そして、砂防ダムの設置する位置による土砂の動きや流速についてモデル実験を行った。
そこで、宮田川の治水対策の有効性を検証し、宮田川と流域環境の類似した河川の治水対策を提案することを本研究の目的とする。
これまでの研究で、落差工及び砂防ダムが実際に治水対策として効果的であるかについて、モデル実験を行い調べた。実験結果から砂防ダムと落差工を設置すると流速が遅くなることが分かった。これは、「流速を速くして、いち早く水を海へと流し込み、河川に滞留する水を少なくした方が氾濫を防ぐことができる」という観点とは反対の結果である。しかし、不透過式砂防ダムのモデル実験で、木材や石が堰き止められていくと流速が速くなるという結果が得られた。次に、宮田川の現地調査と地形図の記号から、宮田川に設置されている砂防ダムと落差工の位置関係を調べた。その結果、砂防ダムは宮田川に流れ込む沢の入り口に、落差工は沢との合流地点の上流に設置されていることがわかった。以上の結果から、沢との合流地点に一気に水が流れ込まないように落差工は設置され、本流に土砂や木が流入しないように砂防ダムが設置されている、この組合せに効果があるのではないかと考察した。しかし、宮田川が過去に氾濫した位置よりも上流の沢には砂防ダムの設置がないにもかかわらず、その沢の流入口付近では氾濫が起きていないこともわかった。
今回の研究では、宮田川に流入する沢流域の地質や土壌に着目して文献調査を行った。また、地形図の調査から、沢に設置されている砂防ダムの、流入口からの距離が一定ではないことにも着目した。そして、砂防ダムの設置する位置による土砂の動きや流速についてモデル実験を行った。