13:45 〜 15:15
[O06-P68] 日向湖に含まれるブラックカーボンの年代別調査 ~ブラックカーボンの量と歴史から推測される地域の産業・経済の変遷~
キーワード:ブラックカーボン、年縞
私たちの地元の福井県若狭町にある三方五湖のひとつである水月湖は年縞で有名です。年縞とは「長い年月の間に湖泥などに堆積した層が描く特徴的な縞模様の湖底堆積物」のことで、1年に1層形成されます。縞模様は季節によって異なる物質が堆積するため、明るい層と暗い層が交互に堆積し形成されます。水月湖の年縞は約7万年分にも及びます。これが実際の水月湖の年縞の写真です。年縞には火山灰や大陸から偏西風に乗って飛んでくる黄砂、植物の種なども含まれ過去の自然環境を知る貴重な情報源となっています。また、放射性炭素(c14)の量で年代測定をしている他、花粉分析によって年代測定の精度を高めています。花粉分析では、その地層が堆積した当時の自然環境を知ることができます。
日向湖の年代別の湖底の泥に含まれるBCの量を調べ、地域の産業や経済の発展を推測する。すでに行われている年縞の花粉分析の研究では地域の環境がわかります。そのため私たちの探究では人工物であるBCを調べることで地域の環境だけでなく地域の産業や経済の発展を調査します。そして、年縞に含まれる人工物の量からその地域の経済的発展を推測できることを証明する。
私達の探究の仮説は、地域の経済的な発展とその年代の年縞に含まれるBCの量には相関性がある、ということです。地域の経済的な発展とその年代の年縞に含まれるBCの量を調べることでそれらの関係性が分かります。BCは主に山火事やディーゼルエンジンの排気ガス、石炭の燃焼などの不完全燃焼によって発生します。そして、日向湖周辺では大規模な火災が発生していなかったことからBCは主に車や鉄道、船などの交通機関によって発生すると考えられます。よってこの実験で見られるBCは人工物であり、この実験により経済的発展と人工物であるBCには相関性があるということがいえると考えています。
実験道具です。スクリーン付き顕微鏡、枠付カバーガラス、
実験方法です。まずはじめに、BCの量を測定する年代を地域の経済の発展から決定します。そして日向湖の花粉分析の際に分離した上澄み液の中のBCを顕微鏡を用いて測定します。上澄み液には、一定の量のヒマラヤスギの花粉が入れてあり、BCの数と、ヒマラヤスギの花粉の数を数え、花粉の量に対してBCがいくつあるかで年縞に含まれるBCの量を評価します。この時、BC、花粉はカバーガラスにつけた枠に半分以上被っているものを数えるようにします。枠の大きさは2ミリメートル×2ミリメートルです。花粉、BC共に実験を三回ずつ行い平均をとっています。ただし、表層からの深さ540〜550ミリメートルのデータに外れ値があったため、そこのみ実験二回分の平均をとっています。そして最後に経済的な背景とBCの量になんらかの関係がないか確かめます。
洪水によりできた1953年、1965年の洪水層を基準として計算し、1年で3mm泥が堆積するとして西暦を計算します。
考察です。1回1回の実験によって花粉の数の差が激しかった理由として考えられることはサンプルのブラックカーボンと溶液の混ぜ具合が異なっていたから。しかし、花粉とBCの比で考えているため結果に影響はないと考えられる。
考察です。ブラックカーボンの数は年代によって明確な差が見られました。
特に1968年と1944年のブラックカーボンの比率は高かったです。
1968年には、福井国体のボート競技が隣接している久々子湖で開催されたためだと考えました。ボート競技で普段より多くの人が湖周辺に交通機関を使って来たこと、競技補助のためのモーターボートが多く使用されたからだと考えました。
1944年は、敦賀周辺で空襲が行われたためであると推測しました。空襲により不完全燃焼がおこりブラックカーボンが排出されたとかんがえました。
日向湖の年代別の湖底の泥に含まれるBCの量を調べ、地域の産業や経済の発展を推測する。すでに行われている年縞の花粉分析の研究では地域の環境がわかります。そのため私たちの探究では人工物であるBCを調べることで地域の環境だけでなく地域の産業や経済の発展を調査します。そして、年縞に含まれる人工物の量からその地域の経済的発展を推測できることを証明する。
私達の探究の仮説は、地域の経済的な発展とその年代の年縞に含まれるBCの量には相関性がある、ということです。地域の経済的な発展とその年代の年縞に含まれるBCの量を調べることでそれらの関係性が分かります。BCは主に山火事やディーゼルエンジンの排気ガス、石炭の燃焼などの不完全燃焼によって発生します。そして、日向湖周辺では大規模な火災が発生していなかったことからBCは主に車や鉄道、船などの交通機関によって発生すると考えられます。よってこの実験で見られるBCは人工物であり、この実験により経済的発展と人工物であるBCには相関性があるということがいえると考えています。
実験道具です。スクリーン付き顕微鏡、枠付カバーガラス、
実験方法です。まずはじめに、BCの量を測定する年代を地域の経済の発展から決定します。そして日向湖の花粉分析の際に分離した上澄み液の中のBCを顕微鏡を用いて測定します。上澄み液には、一定の量のヒマラヤスギの花粉が入れてあり、BCの数と、ヒマラヤスギの花粉の数を数え、花粉の量に対してBCがいくつあるかで年縞に含まれるBCの量を評価します。この時、BC、花粉はカバーガラスにつけた枠に半分以上被っているものを数えるようにします。枠の大きさは2ミリメートル×2ミリメートルです。花粉、BC共に実験を三回ずつ行い平均をとっています。ただし、表層からの深さ540〜550ミリメートルのデータに外れ値があったため、そこのみ実験二回分の平均をとっています。そして最後に経済的な背景とBCの量になんらかの関係がないか確かめます。
洪水によりできた1953年、1965年の洪水層を基準として計算し、1年で3mm泥が堆積するとして西暦を計算します。
考察です。1回1回の実験によって花粉の数の差が激しかった理由として考えられることはサンプルのブラックカーボンと溶液の混ぜ具合が異なっていたから。しかし、花粉とBCの比で考えているため結果に影響はないと考えられる。
考察です。ブラックカーボンの数は年代によって明確な差が見られました。
特に1968年と1944年のブラックカーボンの比率は高かったです。
1968年には、福井国体のボート競技が隣接している久々子湖で開催されたためだと考えました。ボート競技で普段より多くの人が湖周辺に交通機関を使って来たこと、競技補助のためのモーターボートが多く使用されたからだと考えました。
1944年は、敦賀周辺で空襲が行われたためであると推測しました。空襲により不完全燃焼がおこりブラックカーボンが排出されたとかんがえました。