13:45 〜 15:15
[O06-P85] ヒトデ骨格の構造・成分解析とその活用法
キーワード:海洋
北海道立釧路水産試験場や、鳥取県栽培漁業センターより、ヒトデによる2枚貝の食害や、底引き網、カニ籠へのヒトデの多量の混入が見られ、それに対して駆除が行われており、さらに駆除されたヒトデの多くが一般廃棄物として処分されているというデータがある。そこで我々はヒトデの有効な活用法を生み出すことによってヒトデの駆除を促進し、漁業被害を減らしたり、ホタテガイなどの食害を減少させようと試みた。
我々は本研究以前にもヒトデに含まれる炭酸カルシウムを利用したチョーク作りを行ったが、すでに実用化が進んでいるホタテとの差別化が困難なことに加え、ヒトデから得られるカルシウムの絶対量が少ないこと、ヒトデ骨格の密度の低さなどを踏まえ、ヒトデを用いたチョークの作成を断念した。本研究ではすでに実用化が進んでいるホタテとの比較などを踏まえてヒトデ産カルシウムの新たな用途を模索することを本筋としている。
本研究では、JAMSTEC,X-star所属の豊福高志主任研究員のご協力のもと、日立の卓上SEM Miniscope 3000を利用したヒトデ骨格構造およびBrukerのQUANTAX EDSを利用したヒトデ骨格の成分分析を行い、それによって得た情報を元に実験を行いヒトデの資源としての活用方法を考察した。 SEMによる分析でヒトデの骨格は穴の多くあいた多孔質の立体構造(三次元連通気孔構造)を持つことが明らかになった。またEDSよる分析によると炭酸カルシウム(CaCO3)由来のCa,C,Oのほかにマグネシウムが存在していることが明らかになった。多孔質(=表面積が大きい)であることと、水との反応性が高いマグネシウムが存在していることから、ヒトデを焼成して酸化カルシウムを生成し、水との反応を利用した除湿剤などへの活用を考えた。
この考察のもと、以下の実験からヒトデの骨格構造とマグネシウムの存在がどのように水との反応に影響を与えるのかを考察する。
この実験では、素材としてヒトデとホタテの殻、市販の酸化カルシウムの3つを用い、同様の処理を行った後、発熱量を測り水との反応性の違いを考察した。
処理内容は以下の通り。ヒトデおよびホタテ殻に含まれる有機物などの不純物を取り除くのと同時に、主成分である炭酸カルシウムを酸化カルシウムへと変化させるため、それぞれ950度に設定した電気炉を用いて30分焼成した。その後、市販の酸化カルシウムと焼成したヒトデとホタテをそれぞれコーヒーミルを使用して粉末状にし、この粉と水を保温性が高いタンブラー内で混ぜ合わせた。その際に酸化カルシウムと水が反応し、水酸化カルシウムが生成される発熱反応が起こることから、これらの反応における発熱量をワイヤレス温度センサーを用いて観察し、素材別に比較を行った。
本研究を進めるにあたり、上記にもある通り、JAMSTEC・X-star所属の豊福高志主任研究員には電子顕微鏡の使用に加え、多大なご助言、ご協力などをいただきました。ここに感謝の意を表します。
我々は本研究以前にもヒトデに含まれる炭酸カルシウムを利用したチョーク作りを行ったが、すでに実用化が進んでいるホタテとの差別化が困難なことに加え、ヒトデから得られるカルシウムの絶対量が少ないこと、ヒトデ骨格の密度の低さなどを踏まえ、ヒトデを用いたチョークの作成を断念した。本研究ではすでに実用化が進んでいるホタテとの比較などを踏まえてヒトデ産カルシウムの新たな用途を模索することを本筋としている。
本研究では、JAMSTEC,X-star所属の豊福高志主任研究員のご協力のもと、日立の卓上SEM Miniscope 3000を利用したヒトデ骨格構造およびBrukerのQUANTAX EDSを利用したヒトデ骨格の成分分析を行い、それによって得た情報を元に実験を行いヒトデの資源としての活用方法を考察した。 SEMによる分析でヒトデの骨格は穴の多くあいた多孔質の立体構造(三次元連通気孔構造)を持つことが明らかになった。またEDSよる分析によると炭酸カルシウム(CaCO3)由来のCa,C,Oのほかにマグネシウムが存在していることが明らかになった。多孔質(=表面積が大きい)であることと、水との反応性が高いマグネシウムが存在していることから、ヒトデを焼成して酸化カルシウムを生成し、水との反応を利用した除湿剤などへの活用を考えた。
この考察のもと、以下の実験からヒトデの骨格構造とマグネシウムの存在がどのように水との反応に影響を与えるのかを考察する。
この実験では、素材としてヒトデとホタテの殻、市販の酸化カルシウムの3つを用い、同様の処理を行った後、発熱量を測り水との反応性の違いを考察した。
処理内容は以下の通り。ヒトデおよびホタテ殻に含まれる有機物などの不純物を取り除くのと同時に、主成分である炭酸カルシウムを酸化カルシウムへと変化させるため、それぞれ950度に設定した電気炉を用いて30分焼成した。その後、市販の酸化カルシウムと焼成したヒトデとホタテをそれぞれコーヒーミルを使用して粉末状にし、この粉と水を保温性が高いタンブラー内で混ぜ合わせた。その際に酸化カルシウムと水が反応し、水酸化カルシウムが生成される発熱反応が起こることから、これらの反応における発熱量をワイヤレス温度センサーを用いて観察し、素材別に比較を行った。
本研究を進めるにあたり、上記にもある通り、JAMSTEC・X-star所属の豊福高志主任研究員には電子顕微鏡の使用に加え、多大なご助言、ご協力などをいただきました。ここに感謝の意を表します。