13:45 〜 15:15
[O06-P87] 海藻を用いた炭素循環システムにおけるメタン発酵プロセスの評価
キーワード:海洋
IPCC第六次評価報告書において、「人間の影響が大気、海洋、及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がない」と示されているように、人間の活動による地球温暖化をはじめとする気候変動の問題は現在、地球が抱えている深刻な問題の一つとなっている。私たちは国際社会の一員として、こうした地球温暖化の解決に貢献するために何かできることはないかと考えている中で、カーボンニュートラルという考え方に出会った。カーボンニュートラルとは炭素、特に二酸化炭素の排出量と吸収量を均衡させることで、二酸化炭素の実質的な排出量を0にすることにより、地球温暖化の進行を抑えることだ。現在世界中の多くの企業がカーボンニュートラルの実現を目指し取り組みを進めている。このような活動には、こうした地球温暖化に歯止めをかけ、地球環境を将来世代のために維持していくことだけではなく、現在生きている私たちが不自由なく生活できる社会を創ることも同時に求められている。このような社会の実現のためには、電力の供給のような私たちの基本的な生活のニーズを満たすと同時に、カーボンニュートラルのような地球温暖化対策を取ることが不可欠である。
以上の観点と、私たちが行っている海洋研究をリンクさせるため、私たちは海藻の炭素隔離・貯留システムであるブル―カーボンと微生物による有機物のメタン発酵に着目した研究を行うことにした。この研究の最終的な目標としては、海藻の光合成による二酸化炭素吸収から海藻を基質とした発酵によるメタン生成、そしてメタンをエネルギーに変換することで発生する二酸化炭素を海藻が再び吸収するという循環を確立することである。このような循環はメタンを利用して発電をすることで現在を生きる世代の基本的な生活のニーズの一つである電力の供給を満たしながら、カーボンニュートラルの達成に貢献できる。私たちはこのような最終目標を定め、実験を行ってきた。以前の実験では、発酵の基質である海藻のセルロースの分解物にあたるグルコースを用いて、干潟で採取した泥を数日間培養して、そこにグルコースを投入するという実験を行い、グルコース投入後の時間と二酸化炭素発生量の関係を調べた。二酸化炭素の測定器しか持ってないので、二酸化炭素発生量からメタン発酵の化学反応式をもとにメタン発生量を算出した。この実験ではグルコース投入後の時間とメタン発生量の関係を大まかに知ることはできた。また実験結果を用いて計算すると、海藻による二酸化炭素吸収量が海藻の発酵時に発生する二酸化炭素量とメタンをエネルギーに変換する時に発生する二酸化炭素量の合計を上回っていることがわかり、カーボンニュートラルを達成できているという結果を得ることもできた。その一方で、微生物の増殖を無視した実験を行ってしまったことや本来の複雑なメタン発酵を単純化した化学反応式を使用して、二酸化炭素発生量からメタン発生量を間接的に求めてしまったため、数値の正確性に問題があったことなど反省点も多く挙げられた。今回の実験ではこうした反省点を活かしてより正確なデータを得るために、培養時間やグルコース濃度を考慮してメタン発酵をより正確に、そして多角的な視点から研究することにした。
以上の観点と、私たちが行っている海洋研究をリンクさせるため、私たちは海藻の炭素隔離・貯留システムであるブル―カーボンと微生物による有機物のメタン発酵に着目した研究を行うことにした。この研究の最終的な目標としては、海藻の光合成による二酸化炭素吸収から海藻を基質とした発酵によるメタン生成、そしてメタンをエネルギーに変換することで発生する二酸化炭素を海藻が再び吸収するという循環を確立することである。このような循環はメタンを利用して発電をすることで現在を生きる世代の基本的な生活のニーズの一つである電力の供給を満たしながら、カーボンニュートラルの達成に貢献できる。私たちはこのような最終目標を定め、実験を行ってきた。以前の実験では、発酵の基質である海藻のセルロースの分解物にあたるグルコースを用いて、干潟で採取した泥を数日間培養して、そこにグルコースを投入するという実験を行い、グルコース投入後の時間と二酸化炭素発生量の関係を調べた。二酸化炭素の測定器しか持ってないので、二酸化炭素発生量からメタン発酵の化学反応式をもとにメタン発生量を算出した。この実験ではグルコース投入後の時間とメタン発生量の関係を大まかに知ることはできた。また実験結果を用いて計算すると、海藻による二酸化炭素吸収量が海藻の発酵時に発生する二酸化炭素量とメタンをエネルギーに変換する時に発生する二酸化炭素量の合計を上回っていることがわかり、カーボンニュートラルを達成できているという結果を得ることもできた。その一方で、微生物の増殖を無視した実験を行ってしまったことや本来の複雑なメタン発酵を単純化した化学反応式を使用して、二酸化炭素発生量からメタン発生量を間接的に求めてしまったため、数値の正確性に問題があったことなど反省点も多く挙げられた。今回の実験ではこうした反省点を活かしてより正確なデータを得るために、培養時間やグルコース濃度を考慮してメタン発酵をより正確に、そして多角的な視点から研究することにした。