日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[E] オンラインポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM12] Coupling Processes in the Atmosphere-Ionosphere System

2023年5月22日(月) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (2) (オンラインポスター)

コンビーナ:Liu Huixin(九州大学理学研究院地球惑星科学専攻 九州大学宙空環境研究センター)、大塚 雄一(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、Chang Loren(Institute of Space Science, National Central University)、Yue Deng(University of Texas at Arlington)


現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[PEM12-P31] 極端気象現象(令和3年8月の大雨)に伴う大気重力波についての研究

*三宅 翔太1Liu Huixin1木暮 優 (1.九州大学)

キーワード:大気重力波

大気重力波は、対流圏において、対流や潜熱加熱といった大気を揺さぶる現象により発生する。本研究では、極端気象現象(令和3年8月の大雨)が励起した重力波に着目し、対流圏と成層圏における重力波の励起・鉛直伝播過程を調べた。具体的に気象庁の局地モデル(asuca)の客観再解析データ(水平分解能5km/時間分解能1時間)とAqua衛星搭載のAIRSの輝度温度観測データを用いて、2021年8月(特に大雨期間の12日〜16日)中の日本上空(特に北緯30˚〜40˚、東経120˚〜140˚)の重力波について解析を行った。その結果、AIRS観測と再解析データから、東シナ海から九州にかけて縞状の重力波が見つかられられ、位置や水平波長が一致している。さらに、再解析データから得られたジェット気流の非平衡成分を表す指標ΔNBEも、温度擾乱と一致して、ジオポテンシャルハイトの勾配が大きなところから重力波が発生しているように見られる。これらの観測の一致から、観測された重力波は前線起源の可能性がある。