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[PEM12-P31] 極端気象現象(令和3年8月の大雨)に伴う大気重力波についての研究
キーワード:大気重力波
大気重力波は、対流圏において、対流や潜熱加熱といった大気を揺さぶる現象により発生する。本研究では、極端気象現象(令和3年8月の大雨)が励起した重力波に着目し、対流圏と成層圏における重力波の励起・鉛直伝播過程を調べた。具体的に気象庁の局地モデル(asuca)の客観再解析データ(水平分解能5km/時間分解能1時間)とAqua衛星搭載のAIRSの輝度温度観測データを用いて、2021年8月(特に大雨期間の12日〜16日)中の日本上空(特に北緯30˚〜40˚、東経120˚〜140˚)の重力波について解析を行った。その結果、AIRS観測と再解析データから、東シナ海から九州にかけて縞状の重力波が見つかられられ、位置や水平波長が一致している。さらに、再解析データから得られたジェット気流の非平衡成分を表す指標ΔNBEも、温度擾乱と一致して、ジオポテンシャルハイトの勾配が大きなところから重力波が発生しているように見られる。これらの観測の一致から、観測された重力波は前線起源の可能性がある。