日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM17] 宇宙プラズマ理論・シミュレーション

2023年5月23日(火) 09:00 〜 10:30 オンラインポスターZoom会場 (2) (オンラインポスター)

コンビーナ:天野 孝伸(東京大学 地球惑星科学専攻)、三宅 洋平(神戸大学大学院システム情報学研究科)、梅田 隆行(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、中村 匡(福井県立大学)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/22 17:15-18:45)

09:00 〜 10:30

[PEM17-P04] 低域混成周波数帯のアンテナインピーダンス共鳴特性に関する数値シミュレーション

草地 恒史郎1、*三宅 洋平1臼井 英之1深澤 伊吹2栗田 怜2小嶋 浩嗣2 (1.神戸大学大学院システム情報学研究科、2.京都大学生存圏研究所)

キーワード:宇宙プラズマ、アンテナインピーダンス、低域混成周波数、プラズマ波動、数値シミュレーション

科学衛星による宇宙プラズマ波動観測では、ダイポールアンテナ状の電界センターが広く用いられる。プラズマ媒質の分散性により、宇宙空間に置かれたアンテナのインピーダンス特性は地上とは大きく異なることが知られている。アンテナによってピックアップされたプラズマ波動の電気信号は、媒質中の複素インピーダンス値に基づき較正されることから、宇宙プラズマ中のアンテナ周波数特性を定量的に把握することが重要である。我々はイオンのダイナミクスが関与する低周波領域でのアンテナ特性の数値的な研究を推進している。本研究では、弱磁化プラズマ中に置かれたダイポールアンテナの複素インピーダンスを数値シミュレーションにより算出し、その周波数特性を調べた。シミュレーションの結果、一定のプラズマ条件下において、低域混成周波数付近でインピーダンス共振が観測された。このインピーダンス共振と関連するプラズマ波動モードを明らかにするために、波動分散関係と共進周波数の関係に着目した。具体的にはアンテナ長より、そのアンテナが半波長ダイポールとして振る舞う波数khalfが決定される。インピーダンス共振周波数は、低域混成波動ブランチがkhalf付近の波数領域と交わる周波数とほぼ一致することを見出した。これはアンテナ上の交流信号と当該波動のカップリングを示唆する結果である。また、インピーダンス共鳴のプラズマ条件依存性についての最近の解析の進捗も報告する。