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[PPS06-P24] かぐや衛星で測定された月周辺における地球起源の酸素イオン
キーワード:かぐや、酸素イオン、月
現在、月探査は多くの国によって計画されています。その中でもNASAは、「Artemis計画」と呼ばれる月探査計画の一環として、月周辺有人拠点「Gateway」の建設を計画しています。「Gateway」の主な目的のひとつは、月周辺のイオン組成を解明することです。Gatewayの打ち上げに先立ち、2007年に日本が打ち上げた月周回衛星「かぐや」のデータを用いて、月周辺のイオン組成を調べることが重要です。その結果は、将来のGatewayのデータ解析に役立ちます。Terada et al. [2017] でのかぐやのデータを用いた先行研究によると、地球起源の加速イオンと考えられる1〜10keVのエネルギーのO+イオンが、月が地球のプラズマシートの中にあるときのみ豊富に存在しました。一方、1keV以下のO+イオンは、かぐやが月の表側に位置しているときに多く観測され、月起源イオンと判断されました。この先行研究では、月が地球の磁気圏尾部に位置していたある日(2008年4月21日)だけを詳細に調ていました。
しかし、1keV以下のO+イオンも地球起源である可能性があります。そこで本研究では、月が磁気圏尾部内に位置する2つの典型的な事象について、1keV以下のエネルギーを持つO+イオンを分析しました。その結果、PACE/IMAの極角0°〜22.5°に入射するO+イオンは、極角67.5°〜90°に入射するO+イオンよりもカウント数が大きく、これらのO+イオンが地球起源の可能性を示していることが分かりました。また、かぐやの2007年10月4日〜2009年6月11日の全ミッションデータを用いて、1keV以下のO+イオンカウントと地球磁気活動の相関を統計的に調べました。発表では、地球起源の低エネルギーO+イオンが月の環境にどのように寄与しているかを議論する予定です。
しかし、1keV以下のO+イオンも地球起源である可能性があります。そこで本研究では、月が磁気圏尾部内に位置する2つの典型的な事象について、1keV以下のエネルギーを持つO+イオンを分析しました。その結果、PACE/IMAの極角0°〜22.5°に入射するO+イオンは、極角67.5°〜90°に入射するO+イオンよりもカウント数が大きく、これらのO+イオンが地球起源の可能性を示していることが分かりました。また、かぐやの2007年10月4日〜2009年6月11日の全ミッションデータを用いて、1keV以下のO+イオンカウントと地球磁気活動の相関を統計的に調べました。発表では、地球起源の低エネルギーO+イオンが月の環境にどのように寄与しているかを議論する予定です。