11:15 〜 11:30
[PPS07-08] 様々なサイズのスーパー地球の2次元マントル対流シミュレーション: 断熱温度変化と形状の効果について
キーワード:マントル対流、スーパー地球、断熱圧縮
スーパー地球とは、最大で地球の10倍程度の質量を持つ太陽系外の地球型惑星である。本研究ではマントル対流の数値シミュレーションにより、これらスーパー地球のマントル内部のダイナミクスや表層のテクトニクスについて検討する。
数値シミュレーションモデルとして、2次元箱型あるいは2次元半円環領域をとり、非弾性流体近似 (TALA) のもとでの圧縮性流体の熱対流を考える。流体の粘性率は温度に依存するとし、内部熱源はないものとする。本研究では、地球サイズから最大で地球の10倍の質量をもつスーパー地球をモデル化の対象とするが、考える惑星サイズの増加に合わせて、熱対流のレイリー数や断熱圧縮の効果の強さ、さらにはマントル内部における熱力学量 (熱膨張率・基準密度) の分布も変化するようにしてある。
シミュレーションの結果、惑星サイズが増加するとともに、断熱圧縮の影響がマントルの熱対流により強く表われることが確認できた。例えば、惑星サイズが大きくなるほど、そのマントル最深部から上昇する高温のプルームの活発さが失われる様子が観察されたが、このことは断熱温度変化によって流体塊の上下方向の運動が妨げられた結果と理解できる。その一方で、表面の高粘性の低温熱境界層の内部における大局的な歪速度は、惑星サイズによらずほぼ同程度の大きさになっていることも分かった。さらに対流容器の「まるい」効果を加えるとマントル内部の冷却が進み、低温熱境界層の厚みが増していくことも考慮すると、「地球より大きなスーパー地球だから」といってプレートテクトニクスが起こりやすくなるとは考えにくいと結論づけられる。
数値シミュレーションモデルとして、2次元箱型あるいは2次元半円環領域をとり、非弾性流体近似 (TALA) のもとでの圧縮性流体の熱対流を考える。流体の粘性率は温度に依存するとし、内部熱源はないものとする。本研究では、地球サイズから最大で地球の10倍の質量をもつスーパー地球をモデル化の対象とするが、考える惑星サイズの増加に合わせて、熱対流のレイリー数や断熱圧縮の効果の強さ、さらにはマントル内部における熱力学量 (熱膨張率・基準密度) の分布も変化するようにしてある。
シミュレーションの結果、惑星サイズが増加するとともに、断熱圧縮の影響がマントルの熱対流により強く表われることが確認できた。例えば、惑星サイズが大きくなるほど、そのマントル最深部から上昇する高温のプルームの活発さが失われる様子が観察されたが、このことは断熱温度変化によって流体塊の上下方向の運動が妨げられた結果と理解できる。その一方で、表面の高粘性の低温熱境界層の内部における大局的な歪速度は、惑星サイズによらずほぼ同程度の大きさになっていることも分かった。さらに対流容器の「まるい」効果を加えるとマントル内部の冷却が進み、低温熱境界層の厚みが増していくことも考慮すると、「地球より大きなスーパー地球だから」といってプレートテクトニクスが起こりやすくなるとは考えにくいと結論づけられる。