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[PPS07-P11] 炭素質隕石へのUV照射による宇宙風化模擬実験
キーワード:宇宙風化作用、紫外線照射、C型小惑星
宇宙風化作用とは、大気を持たない天体が宇宙空間にさらされることで天体表面の光学特性が変化する作用である。反射スペクトルの測定は天体の表面物質を知るために一般的に用いられるため、それを変化させる宇宙風化作用は物質同定に大きな影響を与える。またスペクトルの変化の程度によって、天体表面の年代を特定できることも期待されている。月やS型小惑星においては、反射スペクトルの傾きの増加(赤化)、反射率の減少(暗化)、吸収帯の弱化という変化が起こることが知られている。C型小惑星での宇宙風化作用についても研究が進められており、太陽風を模擬するイオン照射や、微小隕石の衝突を模擬するレーザー照射を用いた実験が行われている。しかし、赤化・暗化とは逆の青化・暗化が起きる場合もあり、その原因について明確な結論は得られていない。また紫外線による宇宙風化については、ほとんど研究が行われていない。
本研究では、紫外光ランプを用いて、太陽からの紫外線によるC型小惑星での宇宙風化を模擬する実験を行った。サンプルとして、3種の炭素質コンドライト(Aguas Zarcas、Murchison、Jbilet Winselwan)と2種の石炭サンプル(DECS3、DECS7)を用いた。実験の結果、スペクトルが変化し、その傾きの増減、反射率の増減の傾向はサンプルによって異なることがわかった。これにより、C型小惑星において、UVが宇宙風化の原因になることが示唆される。また、スペクトル変化の要因についても検討を行う。
本研究では、紫外光ランプを用いて、太陽からの紫外線によるC型小惑星での宇宙風化を模擬する実験を行った。サンプルとして、3種の炭素質コンドライト(Aguas Zarcas、Murchison、Jbilet Winselwan)と2種の石炭サンプル(DECS3、DECS7)を用いた。実験の結果、スペクトルが変化し、その傾きの増減、反射率の増減の傾向はサンプルによって異なることがわかった。これにより、C型小惑星において、UVが宇宙風化の原因になることが示唆される。また、スペクトル変化の要因についても検討を行う。