15:30 〜 17:00
[SCG48-P09] 秋田県北部、竜ヶ森花崗岩質岩のジルコンU-Pb年代
キーワード:U-Pbジルコン年代、竜ヶ森、花崗岩
秋田県北部の竜ヶ森地域には東西6.5 km、南北5 kmに花崗岩質岩が分布する。藤本(1970)は、野外調査等から古期花崗岩質岩と新期花崗岩質岩に区分し、古期花崗岩質岩を北上帯や東北日本の日本海側の基盤として分布する花崗岩類に類似し、新期花崗岩質岩は“第三紀花崗岩類”に対比されるとした。臼田ほか(1984)では、新期花崗岩質岩が中心部により広く分布することが示されている。これまで竜ヶ森花崗岩質岩の形成年代は、古期花崗岩質岩から、18 Ma(黒雲母K-Ar年代、河野・植田, 1966)、38 Ma(全岩K-Ar年代、資源エネルギー庁, 1977)、19.6 ± 2.7 Ma(普通角閃石K-Ar年代、藤本,1983)と報告があり、新期花崗岩質岩は8.9 Ma(全岩K-Ar年代、資源エネルギー庁,1977)がある。
本研究では、地域南西部の仙戸石沢の中流から古期花崗岩質岩(RGM2)、上流から新期花崗岩質岩(RGM1)を採取し、LA-ICP-MSを用いてジルコンU-Pb年代を測定した。測定結果は以下の通りである。
古期花崗岩質岩(RGM2) 21.3 ± 0.3 Ma
新期花崗岩質岩(RGM1) 21.7 ± 0.4 Ma
古期花崗岩質岩のジルコンU-Pb年代は、新期花崗岩質岩の年代よりも0.4 Ma若いが、誤差の範囲で同じ年代が得られた。この年代結果は、誤差を考慮すると、野外調査による貫入関係の解釈を否定するものではない。古期花崗岩質岩の形成後、短い時間間隙で新期花崗岩質岩貫入したとの解釈が可能である。また、得られた年代は、過去に報告された普通角閃石K-Ar年代の19.6 ± 2.7 Ma、黒雲母K-Ar年代18 Maを冷却年代とすると、整合的な結果である。一方、新期花崗岩質岩の年代は、東北日本に小規模に分布する“第三紀花崗岩類”の中期―後期中新世の年代とは異なり、竜ヶ森花崗岩質岩の年代が21.5 Maであることから、東北日本北部で中新世初期に花崗岩質岩を形成する火成活動の存在が明らかとなった。
本研究では、地域南西部の仙戸石沢の中流から古期花崗岩質岩(RGM2)、上流から新期花崗岩質岩(RGM1)を採取し、LA-ICP-MSを用いてジルコンU-Pb年代を測定した。測定結果は以下の通りである。
古期花崗岩質岩(RGM2) 21.3 ± 0.3 Ma
新期花崗岩質岩(RGM1) 21.7 ± 0.4 Ma
古期花崗岩質岩のジルコンU-Pb年代は、新期花崗岩質岩の年代よりも0.4 Ma若いが、誤差の範囲で同じ年代が得られた。この年代結果は、誤差を考慮すると、野外調査による貫入関係の解釈を否定するものではない。古期花崗岩質岩の形成後、短い時間間隙で新期花崗岩質岩貫入したとの解釈が可能である。また、得られた年代は、過去に報告された普通角閃石K-Ar年代の19.6 ± 2.7 Ma、黒雲母K-Ar年代18 Maを冷却年代とすると、整合的な結果である。一方、新期花崗岩質岩の年代は、東北日本に小規模に分布する“第三紀花崗岩類”の中期―後期中新世の年代とは異なり、竜ヶ森花崗岩質岩の年代が21.5 Maであることから、東北日本北部で中新世初期に花崗岩質岩を形成する火成活動の存在が明らかとなった。