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[SCG50-P02] オマーンオフィオライトモホ遷移帯に発達するはんれい岩ウルトラマイロナイトから発見された多数の斜長石四重点について
キーワード:四重点、斜長石、はんれい岩ウルトラマイロナイト、超塑性、モホ遷移帯、オマーンオフィオライト
結晶粒径が数µmの多結晶体を高温で変形させると、破断することなく数100%以上に伸長することがあり、この現象は超塑性と呼ばれている。超塑性では、粒界すべりと呼ばれる結晶粒子どうしが粒界で滑って試料全体が変形する変形機構が支配的だと考えられており、組織上では非常に弱い結晶方位定向配列(CPO)や数µm程度の粒径といった特徴を持つ(Edington et al., 1976)。ウルトラマイロナイトなどの中にはこのような特徴を持つものが知られている(e.g., Michibayashi and Oohara, 2013)。また、マントル物質を用いた室内実験でも超塑性が確認されており、天然での超塑性発生が示唆された(Hiraga et al., 2010)。しかし、細粒ならば必ずしも粒界すべりが支配的だとは限らず、CPOタイプの遷移領域でCPOが弱化するため(Michibayashi and Oohara, 2013)、超塑性の推定には注意が必要である。超塑性では、粒界すべりにより結晶粒子の位置交換が起き、4つの結晶粒子が面上の1点で交わる四重点が形成されるモデル(Ashby and Verrall, 1973)が提案されており、ウルトラマイロナイトなどからも四重点が確認された(Casini et al., 2021; Precigout et al., 2017; Menegon et al., 2013)。四重点は粒界すべりが起きていた強い証拠として扱われるが、その数や分布に関して言及した研究はない。
著者らはオマーンオフィオライトモホ遷移帯に発達するはんれい岩ウルトラマイロナイト中に多数の斜長石四重点を発見した。本発表では、四重点をもつ微細構造の特徴に、粒径や結晶方位定向配列の分析結果を加えて、はんれい岩ウルトラマイロナイトの変形履歴について議論する。
【引用文献】
Ashby and Verrall, 1973, Acta Metall, 21, 149-163.
Casini et al., 2021, J. Geophys. Res., 126, e2021JB022215.
Edington et al., 1976, Prog. Mater. Sci., 21, 61-170
Hiraga et al., 2010, Nature, 468, 1091-1094.
Precigout et al., 2017, Nat. Commun., 8, 15736.
Menegon et al., 2013, J. Struct. Geol., 48, 95-112
Michibayashi and Oohara, 2013, Earth Planet. Sci. Lett., 377, 299-310.
著者らはオマーンオフィオライトモホ遷移帯に発達するはんれい岩ウルトラマイロナイト中に多数の斜長石四重点を発見した。本発表では、四重点をもつ微細構造の特徴に、粒径や結晶方位定向配列の分析結果を加えて、はんれい岩ウルトラマイロナイトの変形履歴について議論する。
【引用文献】
Ashby and Verrall, 1973, Acta Metall, 21, 149-163.
Casini et al., 2021, J. Geophys. Res., 126, e2021JB022215.
Edington et al., 1976, Prog. Mater. Sci., 21, 61-170
Hiraga et al., 2010, Nature, 468, 1091-1094.
Precigout et al., 2017, Nat. Commun., 8, 15736.
Menegon et al., 2013, J. Struct. Geol., 48, 95-112
Michibayashi and Oohara, 2013, Earth Planet. Sci. Lett., 377, 299-310.