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[SCG53-P04] 面的な地震動即時予測に向けたサイト特性補正の検討
キーワード:地震動即時予測、サイト増幅特性
Hoshiba and Aoki (2015)やOgiso et al. (2018)のような地震動のリアルタイムモニタリングに基づいた地震動即時予測は、現在の波動場を推定することによって複雑な震源特性や伝播特性の影響を暗黙のうちに取り込むため、距離減衰式に基づいた地震動即時予測よりきめ細かな予測が可能であると期待される。一方、Hoshiba and Aoki (2015)やOgiso et al. (2018)は観測波形に時系列フィルタを通してサイト特性をある共通の観測点に置き換えたのち、データ同化や地震動エネルギーの伝播シミュレーションを通して現在や未来の波動場を推定している。そのため、予測波動場のサイト特性はある共通の観測点のものとなっており、予測値を実用に供するためにはサイトの補正が必要となる。
予測対象地点の地震記録が存在していれば、その地震記録を用いて推定した経験的サイト増幅特性を利用することが可能である。一方、地震記録を得ることができる地点は地震計設置個所に限られることから、地震動の面的な予測を行うためには、何らかの地盤情報に基づいたサイト増幅特性を使用することとなる。本発表では、防災科研が運用するJ-SHISで提供されているPGVの地盤増幅率を使用してサイト特性を補正することを検討する。
計算手順は以下の通りとなる。まず、観測記録に対して時系列フィルタを用いてサイト特性を共通の観測点に引き戻し、1階積分して速度エンベロープを作成する。この速度エンベロープを入力としてHoshiba and Aoki (2015)に基づいた計算を行い、現在や未来の波動場(地震動エネルギー分布)を推定する。その後、サイト特性の基準とした観測点と予測対象領域の地盤増幅率を用いて速度エンベロープを補正し、補正した速度エンベロープを計測震度に換算して観測震度と比較する。本発表ではいくつかの地震についてその結果を紹介する予定である。
予測対象地点の地震記録が存在していれば、その地震記録を用いて推定した経験的サイト増幅特性を利用することが可能である。一方、地震記録を得ることができる地点は地震計設置個所に限られることから、地震動の面的な予測を行うためには、何らかの地盤情報に基づいたサイト増幅特性を使用することとなる。本発表では、防災科研が運用するJ-SHISで提供されているPGVの地盤増幅率を使用してサイト特性を補正することを検討する。
計算手順は以下の通りとなる。まず、観測記録に対して時系列フィルタを用いてサイト特性を共通の観測点に引き戻し、1階積分して速度エンベロープを作成する。この速度エンベロープを入力としてHoshiba and Aoki (2015)に基づいた計算を行い、現在や未来の波動場(地震動エネルギー分布)を推定する。その後、サイト特性の基準とした観測点と予測対象領域の地盤増幅率を用いて速度エンベロープを補正し、補正した速度エンベロープを計測震度に換算して観測震度と比較する。本発表ではいくつかの地震についてその結果を紹介する予定である。