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[SCG58-P20] オマーンオフィオライトモホ遷移帯の含水延性剪断帯における水―岩石反応
キーワード:オマーンオフィオライト、モホ遷移帯、地殻―マントル境界、水―岩石反応、延性剪断帯
海洋プレートは海溝からマントル深部に沈み込むまでに、トランスフォーム断層、中央海嶺、アウターライズの正断層群、メガムリオンのデタッチメント断層といった様々な断層運動を経験する。その過程で海水が断層沿いに浸透し、海洋プレートと水―岩石反応を起こすことで、海洋プレートのレオロジーに大きな影響を与える。特に、元素移動が起こりうる地殻―マントル境界における水―岩石反応とレオロジーの変化については、試料採取の難しさを含めて研究が進んでいない。そこで本研究では、オマーンオフィオライト北部フィズ岩体に発達した含水鉱物を多量に含む延性剪断帯に着目した。
オマーンオフィオライトは白亜紀にテチス海を構成していた海洋プレートが現アラビア半島にオブダクションして形成されたオフィオライトであり(Coleman, 1981)、複数の延性剪断帯が形成された (Boudier et al., 1988)。特に北部フィズ岩体の延性剪断帯は地殻-マントル境界であるモホ遷移帯に発達しており、含水鉱物を多量に含むことが報告された(Michibayashi and Oohara, 2013)。さらに、本剪断帯について微細構造観察を行なった研究では、鉱物組合せに基づき、角閃石と斜長石からなる角閃石―斜長石帯、カンラン石からなるカンラン石帯、角閃石・緑泥石・蛇紋石からなる角閃石帯、緑泥石からなる緑泥石帯、単斜輝石からなる単斜輝石帯に分類された(Natsume et al., 2022)。本発表では、含水鉱物形成時の流体と元素移動の影響について議論し、海洋プレートの地殻―マントル境界で形成される含水剪断帯の微細構造発達過程を考察する。
【引用文献】
Boudier et al., 1988, tectonophysics, 151, 275-296.
Coleman, 1981, J. Geophys. Res., 86, 2497-2508.
Michibayashi and Oohara, 2013, Earth Planet. Sci. Lett., 377, 299-310.
Natsume et al., 2022, JpGU2022, SCG56-P01.
オマーンオフィオライトは白亜紀にテチス海を構成していた海洋プレートが現アラビア半島にオブダクションして形成されたオフィオライトであり(Coleman, 1981)、複数の延性剪断帯が形成された (Boudier et al., 1988)。特に北部フィズ岩体の延性剪断帯は地殻-マントル境界であるモホ遷移帯に発達しており、含水鉱物を多量に含むことが報告された(Michibayashi and Oohara, 2013)。さらに、本剪断帯について微細構造観察を行なった研究では、鉱物組合せに基づき、角閃石と斜長石からなる角閃石―斜長石帯、カンラン石からなるカンラン石帯、角閃石・緑泥石・蛇紋石からなる角閃石帯、緑泥石からなる緑泥石帯、単斜輝石からなる単斜輝石帯に分類された(Natsume et al., 2022)。本発表では、含水鉱物形成時の流体と元素移動の影響について議論し、海洋プレートの地殻―マントル境界で形成される含水剪断帯の微細構造発達過程を考察する。
【引用文献】
Boudier et al., 1988, tectonophysics, 151, 275-296.
Coleman, 1981, J. Geophys. Res., 86, 2497-2508.
Michibayashi and Oohara, 2013, Earth Planet. Sci. Lett., 377, 299-310.
Natsume et al., 2022, JpGU2022, SCG56-P01.