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[SCG59-P04] 和歌山県における新規の地下水等総合観測施設(日高川和佐観測点)の紹介
キーワード:歪、地下水、南海トラフ、深部ゆっくりすべり
南海トラフ沿いで発生する地震の予測精度向上を目的として、産総研では20観測点で構成される南海トラフ地震モニタリングのための地下水等総合観測ネットワークの構築を計画し、2006年以降、地下水・ひずみ観測点を16カ所整備した。17カ所目として、2021年以降、和歌山県日高郡日高川町に新規の地下水・ひずみ観測点1点(以下、日高川和佐観測点)の整備を進めてきた。日高川和佐観測点は和歌山県の中央あたりに位置し、同観測点の周辺では深部低周波微動や深部ゆっくりすべり(SSE)が発生している。紀伊半島西部における深部SSEの発生域をより高精度に把握するために重要な観測点となると期待している。同観測点では深さ30m、200m、600mの3本の観測井戸を掘削し、2022年2月に深さ600mの観測井戸の孔底付近にデジタル式地殻活動総合観測装置を埋設した。同年3月に観測施設が完成し、同年4月に水位計等を設置し、観測を開始した。観測施設の概要と2022年4月以降の約1年間の観測結果を紹介する。