15:30 〜 15:45
[SGD01-06] 楕円体基準水深測量の手順確立に向けた水深精度検証と最低水面モデルの試作
★招待講演
キーワード:楕円体基準水深測量、水深精度検証、最低水面モデル、水路測量、マルチビーム音響測深機
海底地形データを取得するための水深測量では、最低水面からの深さである水深を測るための現場作業として、測深時の海水面からの深さを測定する測深作業に加えて、潮汐等により時々刻々と変化する海水面の高さである潮位を観測する験潮作業を原則として行っている。高い測深精度が求められる浅海域においては特に、験潮作業は測深中に継続的に行うことが必要になる。
しかしながら、水深測量に伴う験潮作業は、迅速な測深作業の妨げとなりうる。例えば、臨時験潮では、水圧式センサーの機器不調、設置場所の選定ミス等、常設験潮所であっても、井戸詰りによる観測データの歪み等のリスク要因が存在する。もし潮位データの欠測が生じれば、最悪の場合、測深作業のやり直しの可能性さえある。また、大津波発災後の緊急測量のように験潮作業を速やかに行えない状況下においては、測深作業によって海底地形データの精度を十分に確保することは困難である。
このような問題の解決策となる新たな水深測量の方法として、測深中の験潮作業が原則として不要となる楕円体基準水深測量が近年提唱されている。楕円体基準水深測量は、潮高改正を要する伝統的な水深測量とは異なり、測深機による測得水深とGNSS測位による船の楕円体高から直接測定した海底の楕円体高を、楕円体基準の最低水面モデルを用いて、最低水面基準の水深へ変換する方法である。最低水面モデルを決定するための験潮作業は必要ではあるものの、測深作業中の継続的な験潮作業は不要となるため、楕円体基準水深測量が実用化により、水深測量の迅速化及び効率化が期待される。
本研究では、楕円体基準水深測量の処理手順の確立を目的として、日本海(山口県西方)及び東京湾において、最低水面モデルの作成や水深の妥当性の検証を行った。検証の結果、本研究で示した手順により得られた水深は潮高改正を要する従来の処理で得られた水深と比較しても十分妥当であり、楕円体処理の基本的な測深データ処理手順が確立された。このことから、技術的には、最低水面モデルがあれば、楕円体処理により水深を導出可能になったといえる。
しかしながら、水深測量に伴う験潮作業は、迅速な測深作業の妨げとなりうる。例えば、臨時験潮では、水圧式センサーの機器不調、設置場所の選定ミス等、常設験潮所であっても、井戸詰りによる観測データの歪み等のリスク要因が存在する。もし潮位データの欠測が生じれば、最悪の場合、測深作業のやり直しの可能性さえある。また、大津波発災後の緊急測量のように験潮作業を速やかに行えない状況下においては、測深作業によって海底地形データの精度を十分に確保することは困難である。
このような問題の解決策となる新たな水深測量の方法として、測深中の験潮作業が原則として不要となる楕円体基準水深測量が近年提唱されている。楕円体基準水深測量は、潮高改正を要する伝統的な水深測量とは異なり、測深機による測得水深とGNSS測位による船の楕円体高から直接測定した海底の楕円体高を、楕円体基準の最低水面モデルを用いて、最低水面基準の水深へ変換する方法である。最低水面モデルを決定するための験潮作業は必要ではあるものの、測深作業中の継続的な験潮作業は不要となるため、楕円体基準水深測量が実用化により、水深測量の迅速化及び効率化が期待される。
本研究では、楕円体基準水深測量の処理手順の確立を目的として、日本海(山口県西方)及び東京湾において、最低水面モデルの作成や水深の妥当性の検証を行った。検証の結果、本研究で示した手順により得られた水深は潮高改正を要する従来の処理で得られた水深と比較しても十分妥当であり、楕円体処理の基本的な測深データ処理手順が確立された。このことから、技術的には、最低水面モデルがあれば、楕円体処理により水深を導出可能になったといえる。