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[SGD01-P06] 主要四島の航空重力データを取り入れた日本の精密重力ジオイド・モデル
キーワード:ジオイド、重力、標高基準系
国土地理院では、日本列島の精密な重力ジオイド・モデルを構築するため2019年より全国規模の航空重力測量を実施している。2023年1月現在、主要四島(北海道・本州・四国・九州)のほぼ全域の測量が完了した。本発表では、これまで収集された航空重力データを用いて構築された日本の精密重力ジオイド・モデルについて報告を行う。使用した重力データは、GOCONS-TIM-R6衛星重力場モデル、Scripps V32.1海洋重力場モデル、326,116点の地上重力データ、443,338点の船上重力データ、そして159,866点の航空重力データである。なお、航空重力データは、クロスオーバー検定による内部評価と既存の重力データを用いた外部評価により、おおよそ1mGalの精度を有することを確認している。ジオイド計算手法は、混合マイスル・モロデンスキー修正スフェロイド核を用いた除去復元ストークス・ヘルマート法である。まず、航空重力データの導入の効果を調べたところ、航空重力データの導入により-75cmから+21cmのジオイド変化が生じることを確認した。導入の効果は特に沿岸域で大きく、陸奥湾や知床半島周辺の沿岸域で最も大きなジオイド変化が確認された。本研究で計算された重力ジオイド・モデルと786点の実測ジオイド高と比較したところ、両者はおおよそ標準偏差3cmで整合することが確認された。