日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD01] 測地学・GGOS

2023年5月24日(水) 15:30 〜 17:00 オンラインポスターZoom会場 (2) (オンラインポスター)

コンビーナ:横田 裕輔(東京大学生産技術研究所)、三井 雄太(静岡大学理学部地球科学科)、松尾 功二(国土交通省 国土地理院)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/23 17:15-18:45)

15:30 〜 17:00

[SGD01-P08] ITRF2020座標系に基づくIGS精密暦とGAMIT/GLOBKプログラムを用いたJISLaD(地盤情報システム)への応用

*島田 誠一1 (1.株式会社日豊)

キーワード:ITRF2020、GNSS、IGS精密暦、JISLaD、GEONET、GAMIT/GLOBKプログラム

2022年4月にリリースされたITRF2020座標系は,ITRF2014座標系に代わる最新の地心直交基準座標系である.この座標系の詳細については下記参考文献[1]にゆずるが,各宇宙測地観測点における座標値は,ITRF2020においてもITRF2014同様に下記の項目で表現されていている.すなわち,
・地震時変動などによる複数のステップを含む区間毎のepoch 2015.0における座標値と速度.
・サイン関数で表される年周・半年周変動.
・複数の対数関数及び指数関数で表される地震の余効変動(PSD).
ここで,年周・半年周変動パラメータは,ITRF2014では非公開であったが,ITRF2020では公開されている.
 ITRF2020は,ITRF2014とのあいだで,core network点でnon-net rotationであるように回転成分が決定されており,並進・回転成分とスケールとの7パラメータの変換式が公開されている.
 GNSSについては,IGS解析センターがIGS点のIGB14座標値を用いて,epoch 1994.0からepoch 2021.0までの期間を再解析したIGS点解析解repro3が,ITRF2020座標値計算のために提供されている.
 IGSでは,2238GPS週(2022年11月27日~)以降は,ITRF2020座標系に基づいたIGS20座標値により計算された精密軌道暦のみ提供されるようになっており,これ以降はITRF2014座標系に基づいた精密暦は公開されていない.
 なお,IGSが公開しているIGS20座標値では,上記ITRF2020座標系を表現する各項目のうち,年周・半年周変動パラメータは含まれていない.
 株式会社日豊では従来ITRF2014座標系に基づくGEONET点の座標値解を,GAMIT/GLOBKプログラム[3]及びBerneseプログラム[4]を用いてJISLaD解として計算してきている[5]が,本発表では,GAMIT/GLOBKプログラムを用いて,JISLaD解をITRF2020基準系に適用させる概要についても紹介する.
参考文献
[1] https://itrf.ign.fr/en/solutions/ITRF2020/.
[2] https://igs.org/news/igs20/.
[3] Herring TA, King RW, FloydMA,McClusky SC (2018) Documentation for the GAMIT/GLOBK GPS analysis software. Department of Earth, Atmospheric, and Planetary Science, Massachusetts Institute of Technology
[4] R. Dach, S. Lutz, P. Walser, P. Fridez: Bernese GNSS software version 5.2, Astronomical Institute, University of Bern, 2015.
[5] https://www.jislad.com/about.html