日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[E] オンラインポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-IT 地球内部科学・地球惑星テクトニクス

[S-IT16] 地球深部科学

2023年5月26日(金) 09:00 〜 10:30 オンラインポスターZoom会場 (2) (オンラインポスター)

コンビーナ:土屋 旬(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、太田 健二(東京工業大学理学院地球惑星科学系)、河合 研志(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、飯塚 毅(東京大学)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/25 17:15-18:45)

09:00 〜 10:30

[SIT16-P14] フェロペリクレース中のスピン転移に伴う弾性異常の検出:GHz-DAC音速測定法による再検討

*加藤 拓人1米田 明1鶴岡 椋1近藤 忠1山崎 大輔2 (1.大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻、2.岡山大学惑星物質研究所)


キーワード:ダイアモンドアンビルセル、GHz音速測定法、スピン転移

GHz超音波速度測定は、ダイヤモンドアンビルセル(DAC)で圧縮された厚さ10μm程度の試料の弾性波速度を測定することができます。ブリルアン散乱やピコ秒超音波と比較して、本手法は鉄等の不透明試料のP波速度・S波速度の両方測定することができる。
このようなGHz法の特徴を生かし、(Fe,Mg)Oフェロペリクレイスの音速測定に取り組んでいる。フェロペリクレイスは、地球の下部マントルに2番目に多く含まれる鉱物である。これまでの研究で、フェロペリクレイス中の鉄イオンがマントル中部の圧力(40〜60 GPa)でスピン転移を起こすことが明らかになっている。この鉄-スピン転移は、粘性や地震波速度など様々な物性に影響を与える。特に速度測定によるスピン転移の検出はブリルアン散乱法やX線非弾性散乱法を用いた実験で行われているが、先行研究の中でも相違点がある(Yan et al.2015, Antonangeli et al.2011)。
今回の発表では、GHz-DAC音速測定法の進展状況を紹介するとともに、GHz-DAC音速測定法を用いたフェロペリクレースの音速測定結果を報告する。