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[SMP26-02] 中部地方三波川帯渋川地域北西部の変成温度構造
キーワード:三波川帯、炭質物ラマン温度計、泥質片岩
三波川帯は中央構造線に隣接した外帯側に関東から九州まで続いている低温高圧型の変成帯である。近年、炭質物のラマンスペクトルから変成温度を求める炭質物ラマン温度計の有効性が示され、三波川帯の熱構造は炭質物ラマン温度計を用いて関東山地から四国にかけて多くの地域で明らかになってきている。特に、中央構造線 (MTL) 近傍において温度の上昇がみられる地域が多く、それらの解釈について議論が続いている。中部地方三波川帯は愛知県と静岡県の県境付近で阿多古川断層によって天竜川地域と渋川地域に分かれている。渋川地域は泥質片岩、苦鉄質片岩、珪質片岩からなる。本研究では、愛知県新城市に位置する三波川帯渋川地域北西部から採取した結晶片岩を研究対象として、炭質物ラマン温度計を用いて温度を推定し、渋川地域北部全体における熱構造を考察した。