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[SMP26-P08] 早池峰・宮守超苦鉄質岩体から探る最上部マントルかんらん岩の流動特性
キーワード:かんらん石CPO、早池峰・宮守オフィオライト、沈み込み帯、背弧、最上部マントル
早池峰・宮守オフィオライトはオルドビス紀に沈み込み帯で形成された岩体である(Ozawa, 1988; Ozawa et al., 2015).特に角閃石や金雲母などの含水鉱物に特徴づけられ,沈み込み帯における水の影響について議論する絶好の研究対象である.本研究では,最上部マントルかんらん岩の流動特性を明らかにすることを目的として,早池峰・宮守オフィオライトかんらん岩の野外調査,微細組織観察,結晶方位分析,鉱物主要元素組成分析を実施した.早池峰・宮守オフィオライトのマントルセクションは,鉱物の化学的特徴からAluminous spinel ultramafic suite(ASUS)とChromite-bearing ultramafic suite(CRUS)に分類され,早池峰岩体はほとんどがASUSで構成され,宮守岩体はCRUSを主体とし,一部にASUSをパッチ状に含む.また,岩石学的・地球化学的特徴から,早池峰岩体は背弧的,宮守岩体は前弧的特徴をもつ(Ozawa, 1984, 1988, 2001; Ozawa & Shimizu, 1995; Yoshikawa & Ozawa, 2007).
本研究では,早池峰岩体のASUSと宮守岩体のCRUSを採取し,岩石薄片を作成した.かんらん石の結晶方位ファブリックは,(010)[100]すべり系のA-type,(010)[001]すべり系のB-type,(100)[001]すべり系のC-type,{0kl}[100]すべり系のD-type,(001)[100]すべり系のE-type,そして一意的にはすべり系を特定できないAG-typeの6つが明らかになっている.本研究試料の偏光顕微鏡観察では,構成鉱物と組織に多様性が認められた.かんらん石の結晶方位解析では,ほとんどがOzawa(1989)で報告されているA-typeあるいはAG-typeであった中で,早池峰岩体からE-typeを持つかんらん岩が見つかった.組織観察と主要元素化学組成分析の結果から,この試料は角閃石を含み,ASUSに分類される背弧起源のかんらん岩であることが分かった.
本発表では,採取した早池峰岩体のASUSと宮守岩体のCRUSの流動特性を議論する.
本研究では,早池峰岩体のASUSと宮守岩体のCRUSを採取し,岩石薄片を作成した.かんらん石の結晶方位ファブリックは,(010)[100]すべり系のA-type,(010)[001]すべり系のB-type,(100)[001]すべり系のC-type,{0kl}[100]すべり系のD-type,(001)[100]すべり系のE-type,そして一意的にはすべり系を特定できないAG-typeの6つが明らかになっている.本研究試料の偏光顕微鏡観察では,構成鉱物と組織に多様性が認められた.かんらん石の結晶方位解析では,ほとんどがOzawa(1989)で報告されているA-typeあるいはAG-typeであった中で,早池峰岩体からE-typeを持つかんらん岩が見つかった.組織観察と主要元素化学組成分析の結果から,この試料は角閃石を含み,ASUSに分類される背弧起源のかんらん岩であることが分かった.
本発表では,採取した早池峰岩体のASUSと宮守岩体のCRUSの流動特性を議論する.