10:45 〜 12:15
[SSS07-P05] 地震波減衰の振幅依存性について
キーワード:地震波の減衰、内部減衰、Q値
地球は弾性体で近似できるが,非弾性(Q-1)の性質も持ち合わせている.しかし,岩石の変形実験は地震波振幅の範囲で振幅に依存しない減衰を示している.そこで,本研究は地震波減衰の振幅依存性の有無を観測から求めることを目的とした.
解析対象の地震は2003年に発生した宮城沖地震(Mjma7.1)の余震458個(3≤M≤5,深さ60-80 km)である.最初に,P波上下動の振幅スペクトルを計算し,震源間距離が5 km以内の2つの地震のスペクトル比を,震央距離200 km以内の同一観測点にて算出した.次に,スペクトル比を走時で割ることで震源距離の影響を打ち消した.最後に,観測された振幅比がある幅(振幅比の常用対数で 0.2 毎)の中に入る全ての地震ペアをスタックすることで観測スペクトル比を計算し,それに理論スペクトル比をフィッティングすることで,観測振幅比の異なる地震間におけるQ-1の差(ΔQ-1)を決定した.
その結果,観測振幅比に差がない地震ペアではΔQ-1が0となり,観測振幅比が増加するとともにΔQ-1は単調に増加した.この正の相関はQ-1に振幅依存性があることを示唆している.また,モデル計算を行った結果,Q-1が振幅(A)に依存しQ-1 ∝ A0.1–0.2と表され,震源に近づくほど減衰が大きくなることも示唆された.
解析対象の地震は2003年に発生した宮城沖地震(Mjma7.1)の余震458個(3≤M≤5,深さ60-80 km)である.最初に,P波上下動の振幅スペクトルを計算し,震源間距離が5 km以内の2つの地震のスペクトル比を,震央距離200 km以内の同一観測点にて算出した.次に,スペクトル比を走時で割ることで震源距離の影響を打ち消した.最後に,観測された振幅比がある幅(振幅比の常用対数で 0.2 毎)の中に入る全ての地震ペアをスタックすることで観測スペクトル比を計算し,それに理論スペクトル比をフィッティングすることで,観測振幅比の異なる地震間におけるQ-1の差(ΔQ-1)を決定した.
その結果,観測振幅比に差がない地震ペアではΔQ-1が0となり,観測振幅比が増加するとともにΔQ-1は単調に増加した.この正の相関はQ-1に振幅依存性があることを示唆している.また,モデル計算を行った結果,Q-1が振幅(A)に依存しQ-1 ∝ A0.1–0.2と表され,震源に近づくほど減衰が大きくなることも示唆された.