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[SSS09-16] 強震動統一データベース(暫定版)の構築と今後の活用
キーワード:強震動記録、地震ハザード評価、認識論的不確定性、地震動予測モデル
地震ハザード評価において、地震動予測式に関する認識論的不確定性を適切に考慮するためには、観測記録の外挿領域への適用に対して多様な考え方に基づく地震動予測モデルの導出とそれらモデルの性能評価を行う枠組みの構築が必要である。日本では量的にも質的にも最大級である強震動記録が得られており、そのデータに基づいて様々な研究グループによる地震動予測式が提案されてきたが、その元となるデータベースも研究グループごとに異なっていたため、特に外挿領域において生じるモデル間の違いがデータベースによるものかモデル化手法によるものか区別することが困難であった。
このような問題を解決するため、我々はこれまで強震動観測記録を統一した方法でデータ処理するとともに統一した震源情報、観測点の地盤情報と紐づけられたデータベースの構築と更新に関する検討を進めてきた。このたび2022年末までのK-NETおよびKiK-net全公開記録による「強震動統一データベース(暫定版)」を構築した。データベースは「震源ファイル」、「観測点ファイル」、「強震動指標ファイル」の3つから成る。強震動指標と震源ファイル、観測点ファイルの情報はそれぞれ震源IDと観測点IDで紐づけられているが、ユーザーが必要とする地震、観測点、強震動指標を抽出し1つのファイルに出力できるツールも合わせて整備した。
現在、統一データベースに基づいた複数の地震動予測モデルの開発(既往モデルの改良を含む)ならびにそれらのモデルの性能評価手法の開発に着手している。ただし、ここでの「性能評価」は観測記録がない/ほとんど得られていない、モデルの外挿領域における性能を評価するための手法開発を主としている。さらに、当データベースを2023年中に公開し今後のさらなるデータベースの利活用と高度化に向けた検討を進めていく予定である。また、防災科研以外の機関による観測記録についても、連携の可能性について検討を行っている。
謝辞:本成果は防災科学技術研究所の「強震動統一データベース構築に向けたワーキンググループ」の活動によるものです。ワーキンググループの防災科学技術研究所、東京海上ディーアール、大崎総合研究所、小堀鐸二研究所、三菱電機ソフトウェア、サイスモリサーチ、理化学研究所、応用地質の関係各位に謝意を表します。また、本検討の一部はJSPS科研費(20H00292)による助成を受けています。
このような問題を解決するため、我々はこれまで強震動観測記録を統一した方法でデータ処理するとともに統一した震源情報、観測点の地盤情報と紐づけられたデータベースの構築と更新に関する検討を進めてきた。このたび2022年末までのK-NETおよびKiK-net全公開記録による「強震動統一データベース(暫定版)」を構築した。データベースは「震源ファイル」、「観測点ファイル」、「強震動指標ファイル」の3つから成る。強震動指標と震源ファイル、観測点ファイルの情報はそれぞれ震源IDと観測点IDで紐づけられているが、ユーザーが必要とする地震、観測点、強震動指標を抽出し1つのファイルに出力できるツールも合わせて整備した。
現在、統一データベースに基づいた複数の地震動予測モデルの開発(既往モデルの改良を含む)ならびにそれらのモデルの性能評価手法の開発に着手している。ただし、ここでの「性能評価」は観測記録がない/ほとんど得られていない、モデルの外挿領域における性能を評価するための手法開発を主としている。さらに、当データベースを2023年中に公開し今後のさらなるデータベースの利活用と高度化に向けた検討を進めていく予定である。また、防災科研以外の機関による観測記録についても、連携の可能性について検討を行っている。
謝辞:本成果は防災科学技術研究所の「強震動統一データベース構築に向けたワーキンググループ」の活動によるものです。ワーキンググループの防災科学技術研究所、東京海上ディーアール、大崎総合研究所、小堀鐸二研究所、三菱電機ソフトウェア、サイスモリサーチ、理化学研究所、応用地質の関係各位に謝意を表します。また、本検討の一部はJSPS科研費(20H00292)による助成を受けています。