14:45 〜 15:00
[SSS13-10] トルコ南東部の東アナトリア断層系における2014年トレンチ調査と大地震の空白域
★招待講演
キーワード:活断層、古地震、東アナトリア断層系、歴史地震
東アナトリア断層系(EAFS)は,アナトリア・マイクロプレートとアラビアプレートの境界をなす,北東―南西走向で延びるトランスフォーム型横ずれ断層系である.産総研地質調査総合センター(GSJ)とトルコ鉱物資源開発調査総局(MTA)では,2014年以降,EAFSを対象として連動型古地震に関する国際共同研究を実施している.本発表では,2014年に実施したカルタル(Kartal)地点におけるトレンチ調査の結果を主に紹介する.同地点は2023年2月に生じたMw7.8の震源域の中央付近に位置し,大地震の空白域との指摘があった.2014年トレンチ調査の結果をふまえ,2022年9月には周辺で再度現地調査を実施し,2024年度には同地点で三次元的なトレンチ調査を実施して横ずれ量を復元する計画であった.2023年Mw7.8の地震に伴う緊急地震断層調査では,カルタル地点では明瞭な地表地震断層が生じ,左横ずれ3.8〜4.1mが計測された(Hasan Elmacı私信).今後,より正確なデータを取得して,地震前のデータ等を含めて慎重に検証していく必要がある.