14:15 〜 14:30
[STT40-03] ドローンを使用した吾妻山の空中磁気測量
キーワード:磁気探査、変質
近年のMT研究により、火山の変質帯の火山性地震の位置関係から噴火の切迫度を評価ができるとされている。そこで、東北地方で噴火危険性のある吾妻山の地下の変質領域の推定を目的として、2021年9月7日、9日の日程で吾妻山大穴火口周辺においてドローンを用いた空中磁気全磁力測量を行った。観測機器はテラテクニカ社・ドローン空中磁気測定システムGSMP35U- DR(GEM 社製 光ポンピング磁力計GSMP-35U、DJI 社ドローンMATRICE 600 PRO)を使用した。測定範囲はNNE-SSW 2 km ×WNW-ESE 1 km の長方形領域とし、測線はWNW-ESE短辺方向に平行測線18 本を100 m 毎に設定した。測線毎に飛行高度を設定し、各測線では一定の標高で観測を行った。各測線に対して設定された高度に対してのブレは約± 0.15 m であり、最高高度は標高1978 mであった。サンプリング周波数は20 Hz、飛行速度は約6 m/sとした。参照点は気象庁 (2020 第147回火山噴火予知連絡会資料) による地上繰り返し全磁力測量点の内、火山活動の影響がないと考えられる大穴火口の南600 m付近の点に設置した。
得られたデータは10 Hzにダウンサンプリングして、IGRF補正(IGRF-13)と参照点磁場データでの日変化補正を行った。Nakatsuka and Okuma (2006)の手法により飛行高度のブレを考慮した磁気異常分布を得た。Grauch (1987)による統計的相関法を用いて平均磁化強度を推定し、平均磁化強度は2.06 A/mであった。本研究では、地形も考慮した平均磁化強度の寄与分を磁気異常分布から差し引いてインバージョンの入力とした。
得られた磁気異常データを有効ソース体積最小化(Nakatsuka and Okuma, 2014)による3次元インバージョンの入力として、平均磁化強度からの摂動を推定した。離散化した地下モデルブロックの水平間隔は20 m ×20 m とした。垂直方向のブロック間隔は地形に沿って離散化し、地表から深さ0~200mが20m、深さ200~700mが50m、深さ700~1000mが100mとして、地表から深度1000mまでを23層でモデル化した。有効ソースの閾値は0.2 A/mとした。初期モデルを0 A/m一様としてCG法を用いて20回のイタレーションを行った。推定されたモデルでは燕沢火口(旧噴火口)付近の直下に平均磁化より約2 A/m弱い弱磁化領域が得られた。気象庁 (2020 第147回火山噴火予知連絡会資料) により地上繰り返し全磁力測量点のデータから推定された示された消磁源と弱磁化領域の位置は良く一致している。
得られたデータは10 Hzにダウンサンプリングして、IGRF補正(IGRF-13)と参照点磁場データでの日変化補正を行った。Nakatsuka and Okuma (2006)の手法により飛行高度のブレを考慮した磁気異常分布を得た。Grauch (1987)による統計的相関法を用いて平均磁化強度を推定し、平均磁化強度は2.06 A/mであった。本研究では、地形も考慮した平均磁化強度の寄与分を磁気異常分布から差し引いてインバージョンの入力とした。
得られた磁気異常データを有効ソース体積最小化(Nakatsuka and Okuma, 2014)による3次元インバージョンの入力として、平均磁化強度からの摂動を推定した。離散化した地下モデルブロックの水平間隔は20 m ×20 m とした。垂直方向のブロック間隔は地形に沿って離散化し、地表から深さ0~200mが20m、深さ200~700mが50m、深さ700~1000mが100mとして、地表から深度1000mまでを23層でモデル化した。有効ソースの閾値は0.2 A/mとした。初期モデルを0 A/m一様としてCG法を用いて20回のイタレーションを行った。推定されたモデルでは燕沢火口(旧噴火口)付近の直下に平均磁化より約2 A/m弱い弱磁化領域が得られた。気象庁 (2020 第147回火山噴火予知連絡会資料) により地上繰り返し全磁力測量点のデータから推定された示された消磁源と弱磁化領域の位置は良く一致している。