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[SVC30-P01] Matched filter法でみた2022年2月頃に活発化した御嶽山の地震活動
キーワード:御嶽山、Matched Filter、地震活動
御嶽山の火山性地震の活動は2014年噴火以降減衰しながらも継続していたが,2022年2月下旬から3月上旬にかけて地震活動が活発化し,噴火警戒レベルも1から2に引き上げられた.また2月23日14時20分ころには超長周期地震と傾斜変動を伴う一連の活動の最大地震(名大による震源決定ではM1.2)が発生,3月上旬には超長周期地震を伴う継続時間が1分程度の微動も頻発した.
2017年10月より,名古屋大学では,小型・低消費電力の地震観測テレメータ装置(堀川他,2017火山学会)の試験運用として御嶽山山頂に10点地震観測点を設置し,現在もリアルタイム観測を行っている.これらのデータを使うことで山頂直下の地震については比較的精度良く震源決定ができるようになった.初動読み取りで求まった今回の山頂直下の地震活動は,2月23日から始まっていて,2014年以降の地震活動の中では深めのグループである海抜付近のクラスター内で発生したことがわかった.(前田他, 2022年火山学会)
山中(2021年地震学会)は御嶽山の火山活動と山頂直下および周辺域の地震活動との関連性を調べるため,2006年から2021年までに御嶽山山頂および周辺域で発生した震源決定精度のよい224個の地震をテンプレート地震にして,Matched Filter法を用いて2006年以降の地震活動を調べている. これまでの解析で,御嶽山の火山活動には御嶽山南山麓の深さ30km付近または10km付近での活動が伴っていることが多いこと,それらの活動が山頂に向けて移動していくことがわかっている.
そこで今回の活動についてもMatched Filter法で解析した.その結果, 2月18日頃から御嶽山南山麓の海抜下5km付近から活動が始まり,徐々に山頂方向に移動し,22日に山頂直下の海抜付近で活発化し3月10日頃まで続いたことがわかった.2007年,2014年の噴火前後の地震活動のパターンと今回の活動と傾向は似ているが,活発度や継続時間は過去2回の噴火時の方が圧倒的に活発で長期間続いている.
もう1点今回の活動で注目すべきことは,松原湖付近で発生する深さ約30kmの地震活動が活発化したことである.この付近は深部低周波地震が発生している場所であり,深部低周波地震が火山活動に関連することはKurihara & Obara (2021)でも指摘されている.今回の解析は高周波の波形を使った解析であるため,今後低周波の波を使った解析も行う予定である.
2017年10月より,名古屋大学では,小型・低消費電力の地震観測テレメータ装置(堀川他,2017火山学会)の試験運用として御嶽山山頂に10点地震観測点を設置し,現在もリアルタイム観測を行っている.これらのデータを使うことで山頂直下の地震については比較的精度良く震源決定ができるようになった.初動読み取りで求まった今回の山頂直下の地震活動は,2月23日から始まっていて,2014年以降の地震活動の中では深めのグループである海抜付近のクラスター内で発生したことがわかった.(前田他, 2022年火山学会)
山中(2021年地震学会)は御嶽山の火山活動と山頂直下および周辺域の地震活動との関連性を調べるため,2006年から2021年までに御嶽山山頂および周辺域で発生した震源決定精度のよい224個の地震をテンプレート地震にして,Matched Filter法を用いて2006年以降の地震活動を調べている. これまでの解析で,御嶽山の火山活動には御嶽山南山麓の深さ30km付近または10km付近での活動が伴っていることが多いこと,それらの活動が山頂に向けて移動していくことがわかっている.
そこで今回の活動についてもMatched Filter法で解析した.その結果, 2月18日頃から御嶽山南山麓の海抜下5km付近から活動が始まり,徐々に山頂方向に移動し,22日に山頂直下の海抜付近で活発化し3月10日頃まで続いたことがわかった.2007年,2014年の噴火前後の地震活動のパターンと今回の活動と傾向は似ているが,活発度や継続時間は過去2回の噴火時の方が圧倒的に活発で長期間続いている.
もう1点今回の活動で注目すべきことは,松原湖付近で発生する深さ約30kmの地震活動が活発化したことである.この付近は深部低周波地震が発生している場所であり,深部低周波地震が火山活動に関連することはKurihara & Obara (2021)でも指摘されている.今回の解析は高周波の波形を使った解析であるため,今後低周波の波を使った解析も行う予定である.