09:00 〜 10:30
[SVC30-P04] 草津白根火山における浅部熱水流動シミュレーション
キーワード:草津白根火山、数値計算、TOUGH3、熱水系
水蒸気噴火は予測が難しい噴火様式のひとつである。マグマの関与があるマグマ噴火と違い、噴火の直前に熱水が上昇することが噴火の原因と考えられているので、水蒸気噴火は前兆現象がほとんど見られない。また水蒸気噴火は熱水系の発達した火山で多く発生するが、そのような火山では温泉や噴気活動が観光資源となっている場合も多く、観光地に近い場所で突発的な噴火が発生する可能性がある。本発表では、水蒸気噴火のメカニズム解明の第一歩として、水蒸気噴火が多発する草津白根火山の浅部熱水系の再現を試みた。
草津白根火山は、群馬県と長野県の県境に位置する活火山であり、北から順に湯釜火口を持つ白根山、逢ノ峰、本白根山と3つの火砕丘群を有する。湯釜火口周辺では活発な噴気と地震活動が観測され、20世紀に複数回の水蒸気噴火が発生している。それに対し、南の本白根山では目立った表面活動はなく、2018年に突発的な水蒸気噴火が発生したのみである。このように、南北で対照的な特徴を持つ火山である。
活発な表面活動のある白根山については数多くの先行研究がある。電磁探査から、湯釜火口を中心とする白根山浅部と深部の比抵抗構造が明らかになっており、地下のマグマや水蒸気噴火発生に関連するキャップロックの構造が推測されている(Nurhasan et al., 2006; Matsunaga et al., 2020; Tseng et al., 2021; Matsunaga et al., 2022a)。得られた比抵抗構造を元にして作成された浸透率構造を元に、草津白根山全体を対象とした熱水流動シミュレーションも行われている(Matsunaga et al., 2022b)。しかし、水蒸気噴火の発生場である浅部熱水系についてのシミュレーションはまだ行われていない。そこで、TOUGH3を用いて2次元円筒形の浸透率構造を作成し、水蒸気噴火が発生する前後の浅部熱水系を再現することを目指した。
草津白根火山は、群馬県と長野県の県境に位置する活火山であり、北から順に湯釜火口を持つ白根山、逢ノ峰、本白根山と3つの火砕丘群を有する。湯釜火口周辺では活発な噴気と地震活動が観測され、20世紀に複数回の水蒸気噴火が発生している。それに対し、南の本白根山では目立った表面活動はなく、2018年に突発的な水蒸気噴火が発生したのみである。このように、南北で対照的な特徴を持つ火山である。
活発な表面活動のある白根山については数多くの先行研究がある。電磁探査から、湯釜火口を中心とする白根山浅部と深部の比抵抗構造が明らかになっており、地下のマグマや水蒸気噴火発生に関連するキャップロックの構造が推測されている(Nurhasan et al., 2006; Matsunaga et al., 2020; Tseng et al., 2021; Matsunaga et al., 2022a)。得られた比抵抗構造を元にして作成された浸透率構造を元に、草津白根山全体を対象とした熱水流動シミュレーションも行われている(Matsunaga et al., 2022b)。しかし、水蒸気噴火の発生場である浅部熱水系についてのシミュレーションはまだ行われていない。そこで、TOUGH3を用いて2次元円筒形の浸透率構造を作成し、水蒸気噴火が発生する前後の浅部熱水系を再現することを目指した。