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[SVC33-P01] 数値気象モデルを用いた気象補正に伴う光波測距のノイズレベル定量化
キーワード:光波測距、気象補正、地殻変動、伊豆大島
光波測距は,火山の地殻変動を観測する手法の1つである.光波が2地点間を伝搬する往復時間を計測することで斜距離を測定するが,伝搬速度は大気の屈折率に依存する.そのため,斜距離の時系列変化をとらえるためには,測距時の気象データを用いた補正を行う必要がある.高木・他(2010)は,数値気象モデルを用いた補正を行うことで,ノイズレベルが低下することを報告した.本研究では,同手法を用いて,ノイズレベルを定量化することを目的とする.
観測データは,伊豆大島に設置した器械点2点及び反射点8点から構成される計9基線を対象とした.観測期間は,2010年から2021年の12年間とした.数値気象モデルは,気象庁数値予報モデルメソ解析を使用した.
解析の結果,全ての基線で測距精度の改善が認められた.誤差伝搬の関係式に基づき,月別標準偏差を目的変数,月別平均斜距離を説明変数とした回帰分析を行い,測距精度と斜距離の関係式を得た.また,本事例においては,測距精度に顕著な標高差依存性は見られなかった.得られた関係式は,異なる観測条件におけるノイズレベルを把握するために活用することが可能である.特に,繰り返し観測など,観測頻度が小さな観測データが持つノイズレベルを把握し,地殻変動を評価する際に役立つと考えられる.ただし,より一般的に適合可能な関係式を導出するためには,他の火山を含む様々な観測条件によって得られたデータを含めた解析を行う必要がある.
観測データは,伊豆大島に設置した器械点2点及び反射点8点から構成される計9基線を対象とした.観測期間は,2010年から2021年の12年間とした.数値気象モデルは,気象庁数値予報モデルメソ解析を使用した.
解析の結果,全ての基線で測距精度の改善が認められた.誤差伝搬の関係式に基づき,月別標準偏差を目的変数,月別平均斜距離を説明変数とした回帰分析を行い,測距精度と斜距離の関係式を得た.また,本事例においては,測距精度に顕著な標高差依存性は見られなかった.得られた関係式は,異なる観測条件におけるノイズレベルを把握するために活用することが可能である.特に,繰り返し観測など,観測頻度が小さな観測データが持つノイズレベルを把握し,地殻変動を評価する際に役立つと考えられる.ただし,より一般的に適合可能な関係式を導出するためには,他の火山を含む様々な観測条件によって得られたデータを含めた解析を行う必要がある.