日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC34] 海域火山

2023年5月23日(火) 13:45 〜 15:15 オンラインポスターZoom会場 (3) (オンラインポスター)

コンビーナ:田村 芳彦(海洋研究開発機構 海域地震火山部門)、藤田 英輔(防災科学技術研究所 火山防災研究部門)、前野 深(東京大学地震研究所)、小野 重明(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/24 17:15-18:45)

13:45 〜 15:15

[SVC34-P11] 西之島火山2021–2022年の二酸化硫黄放出率

*森田 雅明1森 俊哉2、金子 隆之1 (1.東京大学地震研究所、2.東京大学大学院理学系研究科)

キーワード:二酸化硫黄放出率、火山ガス、衛星観測、TROPOMI、西之島

西之島火山では,2019年12月から2020年8月まで継続した第4期の噴火活動ののち,1年程噴火が確認されていなかったが,2021年8月14日に衛星観測により火山灰の放出が確認された.その後,噴火は再び確認されていなかったが,2022年9月末より火山灰の放出が確認され,2023年1月まで断続的に噴火が確認されている.本研究では,噴火の推移を明らかにするために,衛星観測による二酸化硫黄(SO2)放出率のモニタリングを実施した.データには,Sentinel-5 Precursorに搭載のTropospheric Monitoring Instrument(TROPOMI)を用い,日毎のSO2カラム量分布と気象場のデータをもとに,SO2放出率を求めた.2021年8月以降の結果は,噴火が確認されていない期間において100–1,000 t d–1の日平均値を示し,たびたび検出限界(100 t d–1)を下回った.噴火が確認された2021年8月14日と2022年9–10月は3,000 t d–1以上,特に火山灰放出の活発だった10月初旬には10,000 t d–1以上の日平均値が観測された.噴火としては2022年10月初旬がピークであり,2019–2020年噴火に比して規模は小さく,10月中旬には活動は急激に落ち着いたと考えられる.今後,他の衛星観測によるデータや地物観測等のデータと対応させ,これらの噴火活動のメカニズムについて検討する.