15:30 〜 17:00
[SVC35-P05] 草津白根山の機動観測によりわかったこと
キーワード:草津白根山、機動観測、人材育成
B4課題において、草津白根山の機動観測を行ったので、これまでに得られている成果について報告する。機動観測は、当初の予定では2019年度からの2年間が予定されていたが、2018年1月に本白根山で水蒸気噴火が発生したため、2018年度に一部前倒しして実施した。観測項目は、地震観測、電磁気構造調査、GNSS繰り返し観測であり、これらは現在も観測を継続している。なお、この機動観測のために計3名のPDを雇用し、現在いずれも研究者として活躍している。
地震観測については、2018年本白根山の噴火直後に実施した緊急観測により3点の地震計を本白根山の南側に設置し、観測網を本白根山の南側に広げた。また、長野県側でも合計4か所に観測点を設け、従来からの定常点6か所とともに処理することで、草津白根山から10 km程度の広域にわたる震源決定が可能になった。その結果、草津白根山北方の志賀火山へと至る帯状の地震活動や、西方(須坂市や高山村)における地鳴りを伴う地震活動などが明らかになった。
電磁気観測については、2019~2020年にかけて草津白根山から半径10 kmの範囲の50観測点で広帯域MT観測を実施し、2015~2016年にかけて本白根山周辺で取得した23観測点のデータを加えた合計73観測点のMT応答関数を用いて、草津白根火山全体の3次元比抵抗構造モデルを推定した。その結果、草津白根山北西部の深部にマグマの存在を示唆する低比抵抗領域が推定され、その上部には、高濃度の塩水領域と解釈された低比抵抗領域が推定された。
GNSS観測については、本プロジェクト開始以前の地殻変動観測網は,湯釜火口を中心とする直径5 km圏内に限られており,深部の変動源についての情報が不足していた.そこで、半径15 kmまで広げて繰り返し観測点を2017年度に8ヵ所に設置した。2018年噴火後にアクセスできる点のみで繰り返し観測を実施したが、いずれも本白根山からは遠く、変動は得られていない。その後、一部の観測点は連続観測に移行し、現在は6観測点で繰り返し観測を行っている。今のところ、深部に起源をもつ地盤変動は得られていない。
地震観測については、2018年本白根山の噴火直後に実施した緊急観測により3点の地震計を本白根山の南側に設置し、観測網を本白根山の南側に広げた。また、長野県側でも合計4か所に観測点を設け、従来からの定常点6か所とともに処理することで、草津白根山から10 km程度の広域にわたる震源決定が可能になった。その結果、草津白根山北方の志賀火山へと至る帯状の地震活動や、西方(須坂市や高山村)における地鳴りを伴う地震活動などが明らかになった。
電磁気観測については、2019~2020年にかけて草津白根山から半径10 kmの範囲の50観測点で広帯域MT観測を実施し、2015~2016年にかけて本白根山周辺で取得した23観測点のデータを加えた合計73観測点のMT応答関数を用いて、草津白根火山全体の3次元比抵抗構造モデルを推定した。その結果、草津白根山北西部の深部にマグマの存在を示唆する低比抵抗領域が推定され、その上部には、高濃度の塩水領域と解釈された低比抵抗領域が推定された。
GNSS観測については、本プロジェクト開始以前の地殻変動観測網は,湯釜火口を中心とする直径5 km圏内に限られており,深部の変動源についての情報が不足していた.そこで、半径15 kmまで広げて繰り返し観測点を2017年度に8ヵ所に設置した。2018年噴火後にアクセスできる点のみで繰り返し観測を実施したが、いずれも本白根山からは遠く、変動は得られていない。その後、一部の観測点は連続観測に移行し、現在は6観測点で繰り返し観測を行っている。今のところ、深部に起源をもつ地盤変動は得られていない。