10:45 〜 12:15
[U08-P09] DNAおよび遺伝暗号の起源
キーワード:ラセン構造 、キラリティ 、t-RNA、m-RNA 、DNA、コドン
生命の起源として熱水噴出孔説がありますが、熱水噴出孔は局所的な地域であり、そこで誕生した生物は環境が相違する地域に拡散して生息することはできません。
地球上の殆ど全ての生物では、キラリティ ( chirality)がD型の糖で構成されたDNAと、L型のアミノ酸で構成されたタンパク質でできています。これまでの遺伝子の分子生物学でタンパク質を合成するプロセスにおいてキラリティが重要な役割をはたしていることを認識しおりませんでした。なお、マーチソン隕石から抽出したアミノ酸は、左右の型がほぼ等量含まれていました。キラリティからは地球の生物が宇宙から飛来したのではないと言えます。
アミノ酸がメッセンジャーRNA(アミノ酸の配列を示す)に直接関係している場合、アミノ酸はメッセンジャーRNAに利己的に結合し、正確な複製は不可能です。そのため、アミノ酸を運ぶt-RNAとm-RNAの関係は、アミノ酸とは関係のない遺伝暗号によってチェックされ、一致条件が満たされた場合にのみt-RNAによってアミノ酸配列が決定されます。 DNAの2つのラセンの鎖状分子を向かい合わせておいて、D型のt-RNAの進行は、L型のm-RNAの進行とは逆にして、m-RNA配列のステップ毎にD型のt-RNAを照合して一致したt-RNAと比較します。その照合が遺伝暗号のコドンとアンチコドンで行われ、アミノ酸を連結したt-RNAの連結によってタンパク質が複製されます。
他方、水面の水面に反射した光はキラキラと光りますが、偏光メガネで水面を見ると反射光が消えます。水は1つの巨大な分子の構造で、水素結合によって立体構造が頻繁に変化し、平面的な水面の下に水分子がらせん状に配列した構造を作り出しています。
現在の生物の細胞膜は疎水性長鎖炭化水素分子のC16 H34またはC18H38で構成されています。C16H34は融点20°C、沸点300°Cであり、C18H38は融点27.8°C、沸点は316.15 °Cです。それが原始地球の水面に浮遊していました。原始の地球では大気の主成分であったCO2と太陽風のH+が衝突して上空で合成れた炭化水素分子の多くは沸点が低いので上空に留まり、化学反応が続けられました。当時の地球の水の環境でC16H34またはC18H38が液体であり水面に油膜として浮遊していました。水のラセン構造には貫通する空隙孔があって、油膜の分子が水面に垂直な空隙孔に侵入します。尾部にカルボキシル基(COOH)を付けた脂肪酸の分子は水面を突き抜けずに、親水部を外にして疎水性相互作用により水面に垂直に並んで細胞膜を形成します。それで、脂肪酸は天然の油脂に多量に見いだされます。
他方、水面に浮かぶ炭化水素の表面で炭水化物(Cx(H2O)y)が生成され、多数の単糖を含む多糖の分子が生成されます。水の分子のラセン構造の分子の熱運動は水面から水中に向かう動きに隣接して逆に水中から水面に向かう分子の動きがあります。そのような環境で、侵入したL型のアミノ酸の領域に一点を接して旋回するD型の単糖単位からなる長鎖の炭水化物が付加されます。そのアミノ酸単位を結び付けたD型の糖の分子群がタンパク質を作る際のD型の運搬RNA(t-RNA)になります。
これとは別に、幾つものD型のt-RNAを結び、タンパク質のアミノ酸配列を指定するL型の伝令RNA(m-RNA)が生成されました。このm-RNAは寿命が短いので、L型のm-RNAのヘリカル糖は脱水結合して安定なDNAが形成されました。その2重ラセン構造を捩ると、回転方向によってL型の分子列をD型の分子列に接近させることや、両者を切り離すこともできます。その際に、m-RNAとt-RNAの照合にm-RNAのコドンとr-RNAのアンチコドンの塩基対合が使われています。L型のm-RNAが遺伝暗号によってD型のt-RNAを接続させ、遺伝子暗号とアミノ酸との関係はt-RNAにより反映されています。もし、アミノ酸がm-RNAと直接的に連携するとアミノ酸を取り込む作業がバラバラのタイミングで行われてタンパク質の複製が正確にできません。アミノ酸とコドンは物理的に連携しないようにしています。
詳しくは以下の動画[1] および論文[2]を御覧下さい。[1] S. Karasawa, ”タンパク質の複製に遺伝暗号が使用される理由” https://www.youtube.com/watch?v=mcRTqTqK5AI;[2] S. Karasawa, “Origin of life in the water of the Earth”, The journal of Geology, Earth & Marine Science, Vol.5 (1): 1-7, 2023
地球上の殆ど全ての生物では、キラリティ ( chirality)がD型の糖で構成されたDNAと、L型のアミノ酸で構成されたタンパク質でできています。これまでの遺伝子の分子生物学でタンパク質を合成するプロセスにおいてキラリティが重要な役割をはたしていることを認識しおりませんでした。なお、マーチソン隕石から抽出したアミノ酸は、左右の型がほぼ等量含まれていました。キラリティからは地球の生物が宇宙から飛来したのではないと言えます。
アミノ酸がメッセンジャーRNA(アミノ酸の配列を示す)に直接関係している場合、アミノ酸はメッセンジャーRNAに利己的に結合し、正確な複製は不可能です。そのため、アミノ酸を運ぶt-RNAとm-RNAの関係は、アミノ酸とは関係のない遺伝暗号によってチェックされ、一致条件が満たされた場合にのみt-RNAによってアミノ酸配列が決定されます。 DNAの2つのラセンの鎖状分子を向かい合わせておいて、D型のt-RNAの進行は、L型のm-RNAの進行とは逆にして、m-RNA配列のステップ毎にD型のt-RNAを照合して一致したt-RNAと比較します。その照合が遺伝暗号のコドンとアンチコドンで行われ、アミノ酸を連結したt-RNAの連結によってタンパク質が複製されます。
他方、水面の水面に反射した光はキラキラと光りますが、偏光メガネで水面を見ると反射光が消えます。水は1つの巨大な分子の構造で、水素結合によって立体構造が頻繁に変化し、平面的な水面の下に水分子がらせん状に配列した構造を作り出しています。
現在の生物の細胞膜は疎水性長鎖炭化水素分子のC16 H34またはC18H38で構成されています。C16H34は融点20°C、沸点300°Cであり、C18H38は融点27.8°C、沸点は316.15 °Cです。それが原始地球の水面に浮遊していました。原始の地球では大気の主成分であったCO2と太陽風のH+が衝突して上空で合成れた炭化水素分子の多くは沸点が低いので上空に留まり、化学反応が続けられました。当時の地球の水の環境でC16H34またはC18H38が液体であり水面に油膜として浮遊していました。水のラセン構造には貫通する空隙孔があって、油膜の分子が水面に垂直な空隙孔に侵入します。尾部にカルボキシル基(COOH)を付けた脂肪酸の分子は水面を突き抜けずに、親水部を外にして疎水性相互作用により水面に垂直に並んで細胞膜を形成します。それで、脂肪酸は天然の油脂に多量に見いだされます。
他方、水面に浮かぶ炭化水素の表面で炭水化物(Cx(H2O)y)が生成され、多数の単糖を含む多糖の分子が生成されます。水の分子のラセン構造の分子の熱運動は水面から水中に向かう動きに隣接して逆に水中から水面に向かう分子の動きがあります。そのような環境で、侵入したL型のアミノ酸の領域に一点を接して旋回するD型の単糖単位からなる長鎖の炭水化物が付加されます。そのアミノ酸単位を結び付けたD型の糖の分子群がタンパク質を作る際のD型の運搬RNA(t-RNA)になります。
これとは別に、幾つものD型のt-RNAを結び、タンパク質のアミノ酸配列を指定するL型の伝令RNA(m-RNA)が生成されました。このm-RNAは寿命が短いので、L型のm-RNAのヘリカル糖は脱水結合して安定なDNAが形成されました。その2重ラセン構造を捩ると、回転方向によってL型の分子列をD型の分子列に接近させることや、両者を切り離すこともできます。その際に、m-RNAとt-RNAの照合にm-RNAのコドンとr-RNAのアンチコドンの塩基対合が使われています。L型のm-RNAが遺伝暗号によってD型のt-RNAを接続させ、遺伝子暗号とアミノ酸との関係はt-RNAにより反映されています。もし、アミノ酸がm-RNAと直接的に連携するとアミノ酸を取り込む作業がバラバラのタイミングで行われてタンパク質の複製が正確にできません。アミノ酸とコドンは物理的に連携しないようにしています。
詳しくは以下の動画[1] および論文[2]を御覧下さい。[1] S. Karasawa, ”タンパク質の複製に遺伝暗号が使用される理由” https://www.youtube.com/watch?v=mcRTqTqK5AI;[2] S. Karasawa, “Origin of life in the water of the Earth”, The journal of Geology, Earth & Marine Science, Vol.5 (1): 1-7, 2023