日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-09] 持続可能な発展のための国際基礎科学年と地球惑星科学の貢献

2023年5月25日(木) 13:45 〜 15:00 展示場特設会場 (1) (幕張メッセ国際展示場)

コンビーナ:佐竹 健治(東京大学地震研究所)、田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、春山 成子(三重大学名誉教授)、座長:佐竹 健治(東京大学地震研究所)、田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、春山 成子(三重大学名誉教授)

14:37 〜 15:00

[U09-03] IGU(国際地理学連合)とIYBSSD

★招待講演

*氷見山 幸夫1 (1.北海道教育大学名誉教授)

キーワード:国際基礎科学年、国際地理学連合、ジオユニオンズ、基礎科学、応用科学、国際学術会議

IGU(国際地理学連合)はIYBSSDの執行委員会を構成する団体の一つであり、その普及振興に努めている。IUPAP(国際純粋・応用物理学連合)会長でIYBSSDのリーダーを務めるミシェル・スピロ氏は、基礎科学は世界の食料問題やエネルギー問題、健康や情報通信に関る諸課題への取組などの現在的ニーズに応えていく上で重要な役割を果しうることを強調している。一方地理学は古くから「学問の母」として知られるが、近年は「持続可能性(sustainability) 向上のための科学」であることを前面に出している。地理学は好奇心に駆動される基礎科学的側面をもつ一方、地域計画、持続可能性プログラム、災害・防災・復興などに携る応用科学的側面も併せ持つ。IGU役員会はIYBSSDを奇貨として、地理学が社会で果すべき役割を自問しつつ、教育研究や関連する諸活動の活性化に活かしたいと願っている。2022年7月、IGUは創設100周年記念特別国際地理学会議(IGC)をパリで開催したが、その折にGeoUnions を構成する 他の8つのユニオン(IAU, ICA, INQUA, ISPRS, IUGG, IUGS, IUSS, URSI)に呼びかけてGeoUnions 役員会を開催し、そこでIYBSSD への取組についても議論した。その結果、各ユニオンからIYBSSDに相応しいテーマで講演のできる傑出したスピーカーを推薦し、月一回ISCのオンラインプラットフォームで順次講演をしてもらうことになった。その計画はISC(国際学術会議)の了承を得、2023年2月からISC の Distinguished Lecture Series on Basic Sciences for Sustainable Development としてスタートした。初回と2回目の講演はIGUが推薦した2名の地理学者が担当した。
以上のようなIGUやGeoUnions関連の情報は、日本学術会議のIGU分科会(=IGU日本委員会)や地理学連携機構 (JOGS) はもとより、ISCの情報網を通しても広く発信され、IYBSSDを接点にした人々と組織のネットワークの形成につながっている。