[U-12] 日本の学術出版とオープンサイエンス、オープンデータ

[U12-02] PTEP　−学協会が刊行するオープンアクセスジャーナル−

★招待講演

*野崎 光昭¹ (1.高エネルギー加速器研究機構)

キーワード：学術誌、オープンアクセス、物理学

日本物理学会では，Journal of Physical Society of Japan (JPSJ)とProgress of Theoretical and Experimental Physics (PTEP)という独立した２誌を出版して，物理学分野における研究発表の場を国内外の研究者に提供している。本日の講演で紹介するPTEPは，Progress of Theoretical Physics (PTP)の後継誌として，実験分野も取り込んで2012年に日本物理学会が引き継いだ学術誌である。創刊当時，高エネルギー物理学分野では，学術論文のオープンアクセス（OA）化を推進する国際的プロジェクトSCOAP3（Sponsoring Consortium for Open Access Publishing in Particle Physics）が始まろうとしていた。PTEPはSCOAP³への参加を念頭において，創刊時からオープンアクセス誌としてスタートした。本講演では，研究者および発行者の立場から，学会が運営する小規模出版事業の生存戦略，OA化の潮流への対応，SCOAP3プロジェクトへの参加など，PTEP創刊時に遭遇した諸課題を振り返る。