日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[U-12] 日本の学術出版とオープンサイエンス、オープンデータ

2023年5月24日(水) 15:30 〜 16:45 展示場特設会場 (1) (幕張メッセ国際展示場)

コンビーナ:小田 啓邦(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、川幡 穂高(早稲田大学 理工学術院 大学院創造理工学研究科)、座長:小田 啓邦(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、川幡 穂高(早稲田大学 理工学術院 大学院創造理工学研究科)

16:15 〜 16:45

[U12-03] みんなの科学

★招待講演

*渡辺 政隆1 (1.同志社大学)

キーワード:専門書、ダーウィン、ガリレオ、科学、科学者

チャールズ・ダーウィンの『種の起源』(1859)は、専門書としてではなく、一般書として世に送り出された。仮にあれが専門書の体裁をとっていたとしたらどうだったか。時代は四半世紀近く遡るが、ガリレオ・ガリレイの『天文対話』(1632)は、通例を破り、ラテン語ではなくイタリア語で出版された。ガリレオは、異端審問にかけられる危険を犯してまで、科学を市民と共有したかったのだ。科学はかつて自然哲学と呼ばれていた。しかし科学研究が制度化されたことで科学者を意味するscientistという単語も造語され(1833)、職業化が進み、ある意味で血の通わない科学になってきた。現在、感染症を始めさまざまな分野で専門知の活用、共有の要望が高まっている。科学を「血の通ったもの」にするにはどうすればよいのか、考えたい。