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[U12-P04] 日本測地学会 測地学会誌の現状と今後の展望 〜データ論文とデータリポジトリの活用の観点から〜
測地学とは地球の形と大きさ、地表の位置、地球重力場の精密決定と、それらの時間変化を明らかにする学問である.日本測地学会は1954年に設立され,測地学分野の学会としては,日本の唯一の学会である.本学会の学会誌である測地学会誌(Journal of the Geodetic Society of Japan)は1954年の学会設立とともに発刊され,2014年(60巻)までは年4回発行,2018年(64巻)からは電子ジャーナルの普及にともない冊子体としては年1回の発行となっている.投稿区分としては,測地学のオリジナルな研究成果を報告する「原著論文」,「寄書」,測地学会賞である坪井賞の受賞者が受賞業績に関連する内容をまとめる「坪井賞受賞記念論文」,測定機器,観測方法,ソフトウェア,数式の解法など,測地学の技術的進歩に貢献する内容を報告する「テクニカルレポート」,測地学の特定の分野に関するレビュー論文を対象とした「総合報告」などがある.
近年,研究データの管理,保存と共有に関する議論やデータジャーナルの創刊,データリポジトリの整備などが盛んに行われている.測地学の分野においても,国際測地学協会 (IAG: International Association of Geodesy) のもとに設立された全球統合測地観測システム(GGOS: Global Geodetic Observing System) の地域組織であるGGOS Japan データDOI部会を通じて,測地学データの管理,保存,利活用の重要性が提案された.これらを受け,測地学会誌編集委員会およびデータ作業部会は2022年にそれまでの「データベース・資料集」の投稿区分を「データベース・資料集・データ論文」に拡充し,データ論文を受け付ける体制を整えた.また,測地学分野のデータを集約,DOI付与することを目的とした測地学会データシステムの構築を開始した.発表では,測地学会誌の概要と,これら最近の動向に関して紹介するとともに,今後の課題,展望について議論を行う.
近年,研究データの管理,保存と共有に関する議論やデータジャーナルの創刊,データリポジトリの整備などが盛んに行われている.測地学の分野においても,国際測地学協会 (IAG: International Association of Geodesy) のもとに設立された全球統合測地観測システム(GGOS: Global Geodetic Observing System) の地域組織であるGGOS Japan データDOI部会を通じて,測地学データの管理,保存,利活用の重要性が提案された.これらを受け,測地学会誌編集委員会およびデータ作業部会は2022年にそれまでの「データベース・資料集」の投稿区分を「データベース・資料集・データ論文」に拡充し,データ論文を受け付ける体制を整えた.また,測地学分野のデータを集約,DOI付与することを目的とした測地学会データシステムの構築を開始した.発表では,測地学会誌の概要と,これら最近の動向に関して紹介するとともに,今後の課題,展望について議論を行う.