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[AAS08-02] 夏季の大雨発生時の亜寒帯海域から日本海への下層冷気の流出

キーワード:極端現象、大雨、冷気、寒気、寒気質量フラックス
気候変化とともに極端現象の発生頻度が高まる可能性があることから、極端現象の発生するメカニズムの解明が求められている。特に、近年日本では、記録的な大雨が頻繁に発生しており、大雨を正確に予測することが大きな課題になっている。夏季の大雨の発生要因の一つとして、オホーツク海で発達するオホーツク海高気圧から、下層の冷気が日本海に流出し、前線帯に流入することが指摘されている。しかしながら、オホーツク海周辺の下層冷気の詳細な分布や日本海への流出経路について着目した研究は少ない。本研究では、大気再解析データERA5を用いて、夏季の豪雨事例を対象に、冷気の3次元構造や流出経路を明らかにする。そして、下層冷気と大雨の発生との関係性を考察する。下層冷気の解析には、温位座標解析を適用し、今回は温位296 K以下の大気を下層の冷気と定義した。
主に解析した事例は、2018年7月豪雨、2020年7月豪雨、2021年8月豪雨である。まず、北日本からサハリンにかけて、寒気質量フラックスの緯度時間図を作成し、冷気の流入場所・時間変化・流入の期間を明らかにした。時間変化については、サハリン・宗谷海峡から冷気が流入したのち、津軽海峡周辺域から日本海への冷気の流入が増加していた。次に、大気の鉛直構造を調べると、ユーラシア大陸沿いのシホテハリニ山脈に沿って冷気が存在していた。さらに、冷気は、サハリン・宗谷海峡・津軽海峡から日本海に向けて流入し、シホテハリニ山脈に沿って南下している様子を明らかにできた。最後に、寒気質量フラックスの分布から寒気の流入を調べたところ、日本海に冷気が流入した後に、大雨が発生していることがわかった。
主に解析した事例は、2018年7月豪雨、2020年7月豪雨、2021年8月豪雨である。まず、北日本からサハリンにかけて、寒気質量フラックスの緯度時間図を作成し、冷気の流入場所・時間変化・流入の期間を明らかにした。時間変化については、サハリン・宗谷海峡から冷気が流入したのち、津軽海峡周辺域から日本海への冷気の流入が増加していた。次に、大気の鉛直構造を調べると、ユーラシア大陸沿いのシホテハリニ山脈に沿って冷気が存在していた。さらに、冷気は、サハリン・宗谷海峡・津軽海峡から日本海に向けて流入し、シホテハリニ山脈に沿って南下している様子を明らかにできた。最後に、寒気質量フラックスの分布から寒気の流入を調べたところ、日本海に冷気が流入した後に、大雨が発生していることがわかった。