日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS09] 大気化学

2024年5月27日(月) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:入江 仁士(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、中山 智喜(長崎大学 大学院水産・環境科学総合研究科)、石戸谷 重之(産業技術総合研究所)、江波 進一(国立大学法人筑波大学)

17:15 〜 18:45

[AAS09-P08] インドネシア小規模金採掘地域における大気中水銀濃度の拡散とその土壌への影響

*大浦 一貴1中澤 暦2永淵 修3、奥村 友斗2、Cyio Basir4、Nur Isrun4、Napitupulu Mery4 (1.富山県立大学大学院 環境・社会基盤工学専攻 環境工学部門、2.富山県立大学工学部環境・社会基盤工学科、3.福岡工業大学総合研究機構環境科学研究所、4.タドラコ大学)

キーワード:大気中水銀濃度、小規模金採掘、土壌中炭素濃度、土壌中水銀濃度

水銀はごく微量でも生物に有害な影響を与える。2018年の水銀の人為的排出源の大気中への水銀排出量は2500 (2000-3000) t である。その中でも、小規模金採掘 (ASGM : Artisanal Small-Scale Gold Mining) は38 % を占めており、最大である。
ASGM活動は東南アジア諸国を含む発展途上国で多く行われている。ASGM従事者は1000万人~1900万人とされ、約550万人が女性や子供である。近年の金価格の上昇によりASGM活動に由来する環境への水銀排出量の増大が懸念されている。加えてASGM従事者や近隣住民への健康被害が問題となっている。
演者らはこれまでにインドネシアの複数の地域で大気中水銀の観測とそのリスク評価を行ってきた。本調査地の、インドネシア中央スラウェシ州パル市近郊のASGM地区周辺には周囲に人口34万人の市街域が広がる。このASGM地区では2005年頃に金鉱脈が発見されASGM活動が盛んとなった。本研究は2023年に、2010~2012年と同様の方法で大気中水銀濃度を観測し、大気中水銀濃度の平面分布を明らかにするとともに土壌中水銀濃度と炭素濃度の関係から、土壌中水銀の汚染の評価を行った。