日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS10] 成層圏・対流圏 (大気圏) 過程とその気候への影響

2024年5月28日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:江口 菜穂(九州大学 応用力学研究所)、野口 峻佑(九州大学 理学研究院 地球惑星科学部門)、原田 やよい(気象研究所)、田口 正和(愛知教育大学)



17:15 〜 18:45

[AAS10-P12] QBO位相に対するモザンビーク海峡における熱帯低気圧の応答

*江口 菜穂1小寺 邦彦2 (1.九州大学 応用力学研究所、2.気象研究所)

キーワード:成層圏-対流圏相互作用、成層圏準2年周期変動、熱帯低気圧、モザンビーク海峡

成層圏準二年周期変動QBOが東風位相時には赤道域の成層圏が上昇流偏差となり、気温も低温偏差となる(図1a,b)。そのため、QBO東風位相時に熱帯の対流活動(MJOなどの季節内変動も含む)が活発になることが知られている。また図1aより同時に亜熱帯域の下部成層圏でも東風/低温偏差となることに注目し、特に北半球冬季の南インド洋のモザンビーク海峡に注目して熱帯低気圧とQBOとの関係について調査した。
IBTrACの熱帯低気圧データから、1988年~2021年までの北半球冬季12~2月に、モザンビーク海峡域(40E-50E, 25S-15S)において熱帯低気圧が65個発生していた。そのうち30 個がQBOの東風位相時に発生していた (図2)。東西位相時の熱帯低気圧の発生頻度はほぼ同じであるが、その最大風速に違いが存在し、東風位相時の方が熱帯低気圧の発達が強められることが示唆された。また2011-12年冬季では成層圏突然昇温 (小昇温) が発生しており、より熱帯低気圧の強度が増したことが示されていると同時に、モザンビーク海峡以外にもオーストラリア北部沖にも熱帯低気圧が発生していた。