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[ACC27-P01] グリーンランドSE-Dome II アイスコアの季節分解能の年代スケールと酸素同位体記録の年内変動パターン

キーワード:アイスコア、酸素同位体比
アイスコアの年代は、一般的に年周期を表す様々なプロキシの層境界をカウントして決定されてきた。グリーンランドでのいくつかの研究では冬層と夏層が同定されているが、涵養量の低い地点で掘削されたアイスコアでは、拡散の影響で高解像度(数カ月解像度)での同定は困難である。Furukawa et al.(2017)は、アイスコア記録と降水位体を組み込んだ大循環モデルの酸素同位体(δ18O)パターンを一致させることにより、高精度な年代モデルを提案した。彼らはこの年代決定法を、グリーンランド南東部の高積雪地域(1.02 m w.e. a-1)から掘削されたSE-Dome I(SE1)アイスコアに適用した。しかし、SE1コアは過去60年間しかカバーしていなかった。ここでは、2021年にグリーンランド南東部で掘削されたSE-Dome II(SE2)アイスコア(長さ:250.79 m)のδ18Oデータに基づく年代スケールを報告する。δ18Oの分析はキャビティリングダウン分光計(L2130-i, Picarro)を用い、分析精度(1σ)は±0.04‰であった。SE2コアのδ18OはSE1コアのδ18Oと高い相関があり(r = 0.90)、SEコアの年内ピークは気候シグナルであることが示唆された。年代スケールはSE1コアの手法で作成したが、本研究では1871-1979年の過去の再解析データ(20CRv2)にナッジングさせたiso-GSMを用い、より長い年代スケールを作成した。アイスコアのデータとモデルとの間には高い相関があり(r = 0.76)、年内パターン(典型的な暖候期の負のピーク)を一致させた。この年内パターンが起こる原因について明らかにするために、夏季の降水について解析を行った。その結果、温暖期に負のピークが発生する日はSE-Dome地点の南東で低気圧が発達し、水蒸気起源が北米大陸になり、δ18O値の低い降水をもたらしていることが明らかになった。