17:15 〜 18:45
[ACG35-P03] GOSAT、GOSAT-2データに基づくGHG超過濃度比を用いた東アジアのCO2放出の影響評価
キーワード:GOSAT、GOSAT-2、化石燃料CO2、超過濃度比ER
本研究では、GOSATとGOSAT-2のXCO2、XCH4、XCOデータを用いて、バックグラウンド濃度に対する超過濃度(ΔXCO2、ΔXCH4、ΔXCO)を算出し、2気体の超過濃度の比を取ることで、中国の3つの陸地域(中国東部、中国北部、中国南部)と日本と中国の間に位置する2つの海領域(東シナ海、日本海)で「Enhancement Ratio(ER)」を算出し、中国大陸での化石燃料起源のCO2の放出が日本の海域に与える影響を評価した。
ERを解析した結果、中国北部・東部ではΔXCO2/ΔXCH4のERと相関係数が一年を通して高いことが明らかになり、中国北部・東部では年間を通して化石燃料起源のCO2が多く排出されているという事実と一致していた。一方、CO2とCH4の大規模な排出源がほとんどないとみなせる海領域では、月別ERでは2、3月に、季節別ERでは冬と春にΔXCO2/ΔXCH4のERが高値となっており、先行研究のTohjima et al. [2014, 2020]が波照間島の地上観測データをもとに解析した結果と一致していた。2つの海領域には大規模なCO2の排出源がないこと、中国北部・東部ではΔXCO2/ΔXCH4のERが年間を通して高いことから、大陸側で化石燃料の燃焼によって放出されたCO2が冬季の東アジアモンスーンによって海領域に輸送され、海領域のΔXCO2の増加の原因となったと考えられる。
さらに、2月の東シナ海と日本海の空気塊の後方流跡線解析から、東シナ海には中国北部・東部から、日本海には中国北部から化石燃料CO2が運ばれている可能性が明らかになった。本研究のGOSAT、GOSAT-2データに基づくΔXCH4/ΔXCO2とTohjima et al. [2014]の波照間島の地上観測データに基づくΔCH4/ΔCO2の季節変動の特徴が一致していることからも、衛星データに基づくERの解析結果にも先行研究で議論された中国からの化石燃料起源CO2の日本の海域への輸送の特徴が表れていることが示された。
ERを解析した結果、中国北部・東部ではΔXCO2/ΔXCH4のERと相関係数が一年を通して高いことが明らかになり、中国北部・東部では年間を通して化石燃料起源のCO2が多く排出されているという事実と一致していた。一方、CO2とCH4の大規模な排出源がほとんどないとみなせる海領域では、月別ERでは2、3月に、季節別ERでは冬と春にΔXCO2/ΔXCH4のERが高値となっており、先行研究のTohjima et al. [2014, 2020]が波照間島の地上観測データをもとに解析した結果と一致していた。2つの海領域には大規模なCO2の排出源がないこと、中国北部・東部ではΔXCO2/ΔXCH4のERが年間を通して高いことから、大陸側で化石燃料の燃焼によって放出されたCO2が冬季の東アジアモンスーンによって海領域に輸送され、海領域のΔXCO2の増加の原因となったと考えられる。
さらに、2月の東シナ海と日本海の空気塊の後方流跡線解析から、東シナ海には中国北部・東部から、日本海には中国北部から化石燃料CO2が運ばれている可能性が明らかになった。本研究のGOSAT、GOSAT-2データに基づくΔXCH4/ΔXCO2とTohjima et al. [2014]の波照間島の地上観測データに基づくΔCH4/ΔCO2の季節変動の特徴が一致していることからも、衛星データに基づくERの解析結果にも先行研究で議論された中国からの化石燃料起源CO2の日本の海域への輸送の特徴が表れていることが示された。