14:45 〜 15:00
[ACG37-05] 海岸砂丘に成立したクロマツ林における土壌呼吸速度の時空間変動
キーワード:土壌炭素、水抽出有機物、地温、土壌乾燥
大気中の二酸化炭素濃度上昇に伴う気候変動は地球規模で重大な環境問題となっている。土壌から放出される二酸化炭素(土壌呼吸)は陸域生態系の炭素循環において主要なフラックスであるが、時空間的な不均一性が非常に大きいことが知られている。土壌呼吸量を正確に推定するために世界各地で土壌呼吸の観測が行われているが、海岸砂丘における観測例はほとんどない。気候変動に伴う土壌呼吸量の応答を正確に予測するためには、様々な地域や生態系における土壌呼吸量を把握し、その規定要因を明らかにする必要がある。
本研究では、観測例の少ない海岸砂丘における土壌呼吸速度の時空間変動とその規定要因を明らかにすることを目的とした。鳥取大学乾燥地研究センター内の海岸砂丘のクロマツ林において20か所の土壌呼吸速度の測定地点を設置し、2023年6月から土壌呼吸速度を月1回測定した。さらに、3ヶ月おきに測点周囲から深さ0-5cmの土壌を採取し、土壌炭素量や微生物バイオマス量、水抽出有機物量(WEOC)などを測定した。
2023年6月から12月までの土壌呼吸速度には大きな空間変動が認められ、変動係数は43~67%を推移した。また、土壌呼吸速度は地温の上昇に伴い指数関数的に変化したが、8月には一時的な低下が認められた。この要因として、夏期の地温上昇とそれに伴う土壌乾燥の影響を受けた可能性が考えられる。2023年6、9、12月に各測点周囲から採取した土壌のWEOCはいずれの月においても土壌呼吸速度と正の相関関係が認められた。このことから土壌有機物の少ない砂質土壌における土壌呼吸速度の空間変動にWEOCが寄与している可能性が示唆された。
本研究では、観測例の少ない海岸砂丘における土壌呼吸速度の時空間変動とその規定要因を明らかにすることを目的とした。鳥取大学乾燥地研究センター内の海岸砂丘のクロマツ林において20か所の土壌呼吸速度の測定地点を設置し、2023年6月から土壌呼吸速度を月1回測定した。さらに、3ヶ月おきに測点周囲から深さ0-5cmの土壌を採取し、土壌炭素量や微生物バイオマス量、水抽出有機物量(WEOC)などを測定した。
2023年6月から12月までの土壌呼吸速度には大きな空間変動が認められ、変動係数は43~67%を推移した。また、土壌呼吸速度は地温の上昇に伴い指数関数的に変化したが、8月には一時的な低下が認められた。この要因として、夏期の地温上昇とそれに伴う土壌乾燥の影響を受けた可能性が考えられる。2023年6、9、12月に各測点周囲から採取した土壌のWEOCはいずれの月においても土壌呼吸速度と正の相関関係が認められた。このことから土壌有機物の少ない砂質土壌における土壌呼吸速度の空間変動にWEOCが寄与している可能性が示唆された。