17:15 〜 18:45
[ACG43-P04] Sentinel-2衛星画像と合流部のフラックス保存を用いた全球河川における土砂濃度推定アルゴリズムの構築

キーワード:土砂濃度、リモートセンシング
河川を流れる土砂は河川の水辺環境の多様性の確保、海岸線の維持、土砂に付随する栄養塩の海洋への供給という重要な役割を持つ。一方で、土砂濃度の現地観測は空間的にも時間的にも不十分であり、全容の把握は難しい。不十分な観測を補い、全球の土砂動態を明確にするため、近年では衛星画像により得られる反射率から土砂濃度が推定されてきた。しかし、これらの手法では現地観測をもとにしたパラメータの推定が必要である一方で、パラメータは河川ごとに異なるため、一つの河川で得られた関係を他の河川に適用することはできない。また、全球への適用を目指したモデルはわずかながら存在するものの、現地観測をもとにしており、精度が低いという問題がある。
そこで本研究では、土砂の粒径分布を利用することで、土砂の現地観測データを必要としないアルゴリズムを構築した。
はじめに、土砂の粒径分布から土砂濃度を推定する関係式を作る。土砂の粒径分布としてJunge function(N=KD-j ,Dは半径、K,jは係数)を仮定すると、jを与えればMie散乱理論を用いることで、土砂の単位質量あたり後方散乱係数が求まる。この後方散乱係数は生物光学モデルの入力値となる。また、高濃度の土砂を含む河川の近赤外波長の反射率は土砂と水の影響が支配的になることから、生物光学モデルを土砂と水の二物質のみで近似する。各河川で土砂の粒径分布は定常だと仮定すると、全ての衛星画像について生物光学モデルから推定された反射率と衛星の反射率の誤差を最小化する、各粒径分布に対して最適な土砂濃度と生物光学モデルのパラメータが定まる。
次に、粒径分布のパラメータjを決定する。合流部において、合流後の河川の土砂濃度の求め方は、合流部におけるフラックス保存を用いる方法と、衛星の反射率を用いる方法の二通りがある。最適な粒径分布は、取得した全ての衛星画像について、この2つの方法により求められた土砂濃度の誤差を最小化するはずである。これにより、最適な粒径分布のパラメータが求まる。
このアルゴリズムを適用することで、各河川における土砂の粒径分布が求まり、現地観測が必要なパラメータを用いることなく土砂濃度を求めることができる。
そこで本研究では、土砂の粒径分布を利用することで、土砂の現地観測データを必要としないアルゴリズムを構築した。
はじめに、土砂の粒径分布から土砂濃度を推定する関係式を作る。土砂の粒径分布としてJunge function(N=KD-j ,Dは半径、K,jは係数)を仮定すると、jを与えればMie散乱理論を用いることで、土砂の単位質量あたり後方散乱係数が求まる。この後方散乱係数は生物光学モデルの入力値となる。また、高濃度の土砂を含む河川の近赤外波長の反射率は土砂と水の影響が支配的になることから、生物光学モデルを土砂と水の二物質のみで近似する。各河川で土砂の粒径分布は定常だと仮定すると、全ての衛星画像について生物光学モデルから推定された反射率と衛星の反射率の誤差を最小化する、各粒径分布に対して最適な土砂濃度と生物光学モデルのパラメータが定まる。
次に、粒径分布のパラメータjを決定する。合流部において、合流後の河川の土砂濃度の求め方は、合流部におけるフラックス保存を用いる方法と、衛星の反射率を用いる方法の二通りがある。最適な粒径分布は、取得した全ての衛星画像について、この2つの方法により求められた土砂濃度の誤差を最小化するはずである。これにより、最適な粒径分布のパラメータが求まる。
このアルゴリズムを適用することで、各河川における土砂の粒径分布が求まり、現地観測が必要なパラメータを用いることなく土砂濃度を求めることができる。