日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG45] 有人・無人航空機による気候・地球システム科学研究の推進

2024年5月28日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、小池 真(東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻)、町田 敏暢(国立環境研究所)、篠田 太郎(名古屋大学宇宙地球環境研究所)

17:15 〜 18:45

[ACG45-P01] 2022年高濃度氷晶雲キャンペーンでのエアロゾル・雲の航空機観測:エアロゾルの雲核・氷晶核特性

*折笠 成宏1、村上 正隆2,3、岩田 歩1、米国 HIWCサイエンスチーム4 (1.気象庁気象研究所、2.名古屋大学宇宙地球環境研究所、3.横浜国立大学先端科学高等研究院、4.NASA/FAA)

キーワード:高濃度氷晶、エアロゾル-雲相互作用、氷晶核、雲凝結核

積乱雲周辺の高濃度氷晶雲の実態把握と生成発達メカニズム、雲核・氷晶核として働くエアロゾルの多寡が高濃度氷晶雲に及ぼす影響を解明し、それに基づく検出法・予測法を開発することを目的として、2022年7月に米国フロリダ州(HIWC-2022キャンペーン)、9月にカーボベルデ共和国(CPEX-CVキャンペーン)をベースに、主に境界層内のエアロゾル、雲内における微物理構造の観測データを取得した。
異なる高度や場所で採取されたエアロゾル粒子は、電子顕微鏡分析により数タイプの粒子種に分類した。後方流跡線解析から、採取された気塊の起源はHIWC-2022では殆どが海上だったのに対し、CPEX-CVでは殆どが陸上だった。
CCN数濃度は、HIWC-2022ではエアロゾルの多寡と正の相関が見られたのに対し、CPEX-CVではCCN数濃度が全般に低かったため相関はよく見えなかった。CCN能を表す吸湿度はCPEX-CVではHIWC-2022と比較してオーダー1程度低く、HIWC-2022でも典型的な大陸性の値よりも低かった。INP数濃度は両キャンペーンで同様であり、-25~-5℃の温度範囲で先行研究と比較して同程度かやや高かった。-20℃以下のINP能を表す氷核活性表面サイト数密度(INAS)は、両キャンペーンとも先行研究による鉱物ダストのパラメタリゼーションで概ね表現できる。