日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW17] Near Surface Investigation and Modeling for Groundwater Resources Assessment and Conservation

2024年5月31日(金) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:Tsai Jui-Pin(National Taiwan University, Taiwan)、谷口 真人(総合地球環境学研究所)、PINGYU CHANG(Department of Earth Sciences, National Central University )、Yu Hwa-Lung(Taiwan Society of Groundwater resources and hydrogeology)

17:15 〜 18:45

[AHW17-P04] 東京都東部の台地ー低地変換域における地下水の連続性

*三浦 むぎほ1辻村 真貴1、楊 千愉1鈴木 泰我1、松浦 圭2、平野 晃章2 (1.筑波大学、2.東京都環境科学研究所)

キーワード:湧水、地下水、台地、低地、地下水の連続性、変換域

本研究では東京都の都市部における台地から低地へといった異なる地形単位間で,かつ台地と低地との間で地層の種類が変化する流域に対して,浅部地下水,湧水の水質を中心に地下水の連続性を把握することを目的に研究を行った.
2023年の6月から11月にかけて東京都東部の湧水,河川水,地下水を採水し,それぞれの無機溶存成分濃度,水素・酸素安定同位体比を分析した.また,それらの値について空間分布図を作成し,台地と低地の境界部近傍において無機溶存成分濃度,酸素安定同位体比の特徴を調べ,地形断面図を用いて地下水の連続性について考察を行った.
湧水・地下水の無機溶存成分濃度と酸素安定同位体比を調べたところ,台地と低地の境界部近傍では湧水・地下水ともに似たようなイオン組成がみられ,酸素安定同位体比は近い値を示した.
台地と低地の境界部近傍において,地形断面図上に井戸の位置,湧水の位置を表し,地形の変化と湧水・地下水の水質との関係を考察した.その結果,東部では深さ80 mにわたって台地と低地の間に地下水の連続性があることが示唆された.また,南部でも浅部において台地と低地の間に地下水の連続性があることが示され,さらに地形の傾斜方向にしたがって地下水が流動していることが示唆された.
これらのことから,地層の種類が異なる台地から低地への地形変換域では,湧水,地下水の無機溶存成分濃度,酸素安定同位体比と地形との比較を行うことで,地下水の連続性があることが示唆された.