日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW22] 流域圏生態系における物質輸送と循環:源流から沿岸海域まで

2024年5月30日(木) 10:45 〜 11:30 201A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:前田 守弘(岡山大学)、入野 智久(北海道大学 大学院地球環境科学研究院)、宗村 広昭(岡山大学)、Paytan Adina(University of California Santa Cruz)、座長:宗村 広昭(岡山大学)

11:15 〜 11:30

[AHW22-09] 流域間応用における水文モデルの利点と課題についての考察 ― 淀川と大和川を例として

*王 崑陽1小野寺 真一1齋藤 光代1 (1.広島大学大学院先進理工系科学研究科)

キーワード:大阪湾、リン排出、モデル拡張、ローカリゼーション、Soil & Water Assessment Tool

水環境の研究において、水文モデルは特に環境動態評価や持続可能性評価の課題において大きな割合を占めています。水文モデルを使用して水環境の持続可能性やレジリエンスを研究することには多くの利点と助けがあります。しかし、高精度の水文モデルを構築する最も複雑なプロセスはモデルのキャリブレーションであり、これにはユーザーの豊富な経験だけでなく、強力な計算能力を持つハードウェア設備とソフトウェアのサポートも必要です。
大阪湾は瀬戸内海の一部です、大和川と淀川の2つの大きな川が接続しており、それぞれの流域面積は1077km^2と8240km^2です。2つの川は大阪、奈良、京都、滋賀、三重、兵庫の6つの県にまたがり、関西地域にとって非常に重要な地理的および経済的価値を持っています。
完全にキャリブレーションされた高精度モデルを別の流域に代用し、特定の流域の情報に応じて調整することができれば、より信頼性の高い結果を容易に得ることができ、キャリブレーション作業のコストを削減できるかもしれません。この背景の下、本研究では土壌水分評価ツールを使用して作成された大和川のリン予算モデルに基づいて淀川のリン輸送モデルを確立し、局地的な情報を修正して信頼性の高いシミュレーション結果を得ました。この研究は、水文学モデルの流域間応用の可能性を実証しています。